大規模施設の計画続々
再生エネ法、異業種参入促す■建設適地の発電量、全原発の1/3相当
愛知県田原市の三河湾に面した約82万平方メートル、東京ドーム17個
分の土地で、世界有数のメガソーラー計画が進んでいる。発電規模は50メ
ガワット、現在の世界トップ10に入る規模だ。
プロジェクトを進めるのは三井化学や東レなど7社。約180億円かけ、
2013年秋の完成を目指す。太陽電池の技術開発にも取り組む。
三井化学が約20年前に石油化学工場用に購入し、計画変更で使っていな
かった土地。久保雅晴総務部長は「日照時間が年間2100時間を超え、日
本でも有数の太陽光発電の適地だ」と話す。
年間の発電量は約5万3千メガワット時で、併設する風力発電所の発電分
と合わせた約6万7千メガワット時を、中部電力に売る。約1万9千世帯分
の電力に相当するという。
世界で最も大きなメガソーラーはカナダの92メガワット(11年8月現
在)。50メガを超える施設は九つある。
国内では、ソフトバンクの孫正義社長が20メガワット級発電所を全国に
10カ所造る構想を打ち出すなど、多くの企業や自治体が計画を進める。
住宅設備大手の住生活グループのリクシルは、茨城県坂東市と熊本県長洲
町の工場で各3.75メガワットの施設を稼働している。工場で自家消費す
るが、休日で使わない分は電力会社に売っている。
新潟県と昭和シェル石油は10年、新潟市内の製油所跡地に1メガワット
の施設を建設。山梨県北杜市は11年4月から、八ヶ岳のふもとにある2メ
ガワット級の施設を新エネルギー・産業技術総合開発機構から譲り受けた。
いずれも電力会社などに売電している。
法律で一定割合で再生可能エネルギーの導入が義務づけられた電力会社も
計画を進める。電気事業連合会は、20年度までに全国約30地点で計14
0メガワットの設備を設置する計画を08年に公表。東京電力と川崎市は1
1年8月に7メガワットの浮島太陽光発電所を、12月に13メガワットの
扇島太陽光発電所を相次いで稼働させるなど、各電力会社で導入が進んでい
る。
東京工業大の黒川浩助特任教授は「日本の年間平均日射量はメガソーラー
導入が進むドイツより多い。場所さえあれば設置は可能だ」と話す。
環境省の10年度の調査では、太陽光発電に適した未利用地や耕作放棄地
での発電可能量は、メガソーラーだけで9万7千メガワットと推定する。現
状での太陽光発電の稼働率を踏まえ年1千時間発電したとすれば、国内の全
原子力発電所による10年度の総発電量の3分の1に相当する電力が得られ
る。
ただ、休耕田は農地法で利用は難しく、建設地によって送電線の費用がか
さむ。適地の利用には、こうした課題の解決が残されている。
|