■このG情報に異議あり■


朝日新聞(2012年1月4日夕刊)


<創エネ 省エネ>30


       メガソーラー先進国へ


(その3)G研のコメント


 「ただ、休耕田は農地法で利用は難しく、建設地によって送電線の費用がか さむ。適地の利用には、こうした課題の解決が残されている」

 上記の環境省の試算に一戸建ての屋根やビルの屋上は「太陽光発電に適した未 利用地」の勘定に入れられていたか不明だが、恐らく「メガソーラー」といった 大規模(?)施設には不向きだから勘定に入れられていないのではないだろうか。

 「休耕田」といえども、いずれは日本の食糧事情改善のため農耕地に復帰され るだろうから、そういった土地の発電のために使う訳にはいかない。また、そう いった土地や海上でも、太陽光が大地を暖め、水を蒸発させる地球上の気候に寄 与していることを考えると、むやみに横取りする訳にはいかないだろう。

 やはり太陽光発電には、大規模集中型立地など考えず、屋根やビルの屋上など を使った小規模分散型立地を目指すべきである。そうすれば送電線の心配も少な くなるだろう。

 「三井化学のプロジェクトの場合、1キロワット時あたり40円で15年間 買い取ってもらえば採算が合う。だが、30円台後半だと厳しく、事業を進 めるか中止するか判断を迫られるという」

 「1キロワット時あたり40円で15年間買い取」りは、いくら何でも高すぎ る。せめて石油火力並の発電コストに押さえてもらいたいところだ。

 発電コストの安い原発をフルに稼働することができたときなら、電力会社も何 とか再生可能エネルギーの普及のためと協力したであろうが、いまは「3.11」 以降、そのめどがまったく立っていない状況では、電力会社に経営状況を悪化さ せてまで引き受けさせる訳にはいかないだろう。

 太陽光発電を進める企業なり個人は、脱原発と再生可能エネルギーの普及を早 めるために実行することを目的に、利益や採算性は二の次、三の次に考えないと、 この目的の達成はかなり難しいといえよう。

 「メガソーラーの導入を多数進めてきたNTTファシリティーズ・ソーラー プロジェクト本部の田中良部長は『買い取り価格が明確にならなければ事業 計画をたてられない。参入希望の企業にイライラがつのっている。国がつく る制度によって、メガソーラーの将来が決まる』と話している」

 最初からソーラーで一儲けしようと考えるから、イライラがつのるのである。

 今まで原発を進めてきた電力会社の電気を買ってきたが、これからはできるだ け自家発電して「脱既存電力会社」でいこうという意思に切り替えれば、ことは うまく運ぶのではないだろうか。

 既存の電力会社に、「原発は止め、再生可能エネルギーの電気は高く買え」と いう要求は絶対に飲めないだろう。また、消費者の立場からも、国のエネルギー 政策の側面からも、このような電力会社への要求は絶対に飲むべきではない。

 「川崎市と東京電力が建設した浮島太陽光発電所は、もともとはごみの焼却 灰の埋め立て地だった。利用するには20年間は無毒化が必要な土地に太陽 電池パネルを並べた。茨城県つくば市内では、つくばエクスプレスの開通で 沿線開発されたものの未利用だった土地で建設計画が進む。メガソーラー建 設の余地はまだまだあるものだと思った」

 こういうところならある程度の規模の太陽光発電所も可能だろうが、いくら遊 休地とはいえ消費地から遠く離れたところに立地するのは効率的でなく、好まし くない。そのためにも、いくらマスコミといえども「他人のお尻を叩いて」メガ ソーラーの建設を勧めることなどすべきではない。

 自分で使っている電気のせめて「原発寄与分」の3割くらいは自己発電にしよ うとといった考えに切り替えるべきである。新聞社とて例外ではないと認識すべ きで、せめて輪転機の消費電力分程度は自家発電でこうと決断すべきであろう。

 「太陽光発電は夜間に発電できず、天候にも左右されて不安定だが、発電の 潜在力は高い。7月からの全量買い取り制度は、盛り上がりつつあるメガソ ーラー建設の機運を損なうことのないような仕組みになって欲しいと願って いる」 

 安定供給などまったく期待できない品質の悪い太陽光発電の電気の「全量買い 取り制度」は、どう考えても良い制度とは思えない。

 既存の電力会社を通じて全消費者を犠牲にし、ソーラー発電に投資できる金持 ち企業や金持ち家族を儲けさせるだけの不公平な制度といわざるを得ない。

 脱原発のため再生可能エネルギーを進めるべきと主張する人やマスコミは、あ る程度自ら犠牲を払ってでも身近なところから行動を起こすべきであると考える。

              「G研」代表


(次ページに続く)