「朝日新聞」(2002年1月11日)
関係者によると、業界団体の電気事業連合会が、各社の原子力担当役員 でつくる原子力開発対策委員会や企画担当者ら各レベルの会議で昨年末か ら具体的な対応の話し合いに入った。 |
まず、業界が青森県六ヶ所村で2兆円余りをかけて建設中の核燃料サイ クル施設について、今春をめどに運転開始後の維持費や放射性廃棄物とな る全施設の解体・処分費など追加費用を含めた総事業費を試算。その上で 必要費用の援助を求める。 |
しかし、「運転開始後の維持費や放射性廃棄物となる全施設の解体・処分費など追加費用を含めた総事業費を試算」など、今春を目途に完了するはずがない。第五の「でっち上げ」である。
原子燃料サイクル事業については、従来通り、これからも電力業界が自ら進めていかなければならないが、国に「必要費用の援助を求める」ことなど考えていないし、考えも及ばない。
しかし、今後、総括原価から離れて電力市場の自由化が進むと仮定すると、既存の電力会社の体力も弱まることも予想されるため、何処まで自助努力で行けるかを検討しておく必要はあるかもしれない。
国に「援助を求める」ことは考えも及ばなかったことから、これも第六の「でっち上げ」にあげられよう。
具体的には、「エネルギー安全保障を担うための負担」を名目に送電線 使用料にあたる「託送料」に転嫁する案や、二酸化炭素の排出量に応じ石 炭、石油など化石燃料を使う発電に課税して相対的に原発を割安にする炭 素税などについて検討する。いずれも最終的には消費者の負担となる。ま た、新規参入業者に一定程度、原発で発電した電気の購入を求めることも 検討されそうだ。 |
政府と業界は「火力に比べ原発の発電コストは安い」との建前で原子力 政策を推進してきており、従来の主張との整合性や核燃料サイクル計画の 是非をめぐる論争も絡み、議論は難航するとみられる。 |
従って、「原子力政策の推進」は、少なくとも政府と電力業界の間では、決して「建て前」ではなく、純然たる「本音」である。単なる「建て前」で、日本の電力の4割を原子力で占めるまでに成長させることは不可能である。
原子燃料サイクル計画をめぐる論争は、政府と業界の間で再燃するはずがない。論争があるとするなら、世論を撹乱している朝日新聞との間で対決しなければならないと考えているのは、原子力界の中で少なくはないはず。
第八の「でっち上げ」である。
原子力をめぐっては、現在も電気代に1キロワット時あたり44.5銭 を上乗せして徴収する電源開発促進税があり、毎年2千億円前後を原発周 辺の自治体などに交付する立地促進策を進めている。 |
「原子力があるために電源開発促進税なる余計なものを徴収される」といいたいのだろうが、原子力でなくとも、こういう目的税なら電力の消費者から徴収して、電気の供給地域の開発に有効利用してもらえば、相互利益につながるというものだ。
ここは、「でっち上げ」というより、「嫌がらせ」に近い表現だ。