朝日新聞・夕刊(2001年7月13日) 使用済み核燃料の全量再処理 「棚上げ後、再検討を」中核的研究者 国の原子力政策づくりの中心にいた鈴木篤之・東大大学院教授(システ ム量子工学)が米専門家と共同で、政策の見直しを求める報告書をまとめ、 13日発表した。原発の使用済み核燃料をすべて再処理する現在の路線を いったん棚上げし、政策を練り直すモラトリアム期間を設けるよう提案し ている。 現在の原子力政策は、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場で使用済み 燃料からプルトニウムを取り出し、再び原発で燃やすプルサーマル計画が 軸になっている。しかし、自治体の反対で計画が凍結され、そのあおりで 再処理工場の稼働も危ぶまれているのが現状だ。 報告書では、全量再処理にこだわらず、一部は再処理せずに廃棄するこ とも検討すべきだと指摘。モラトリアム期間中に生じる大量の使用済み燃 料は長期間保管する必要があり、そのための中間貯蔵施設を優先的に建設 するよう求めている。 再処理工場建設に2兆円以上かけていることにも触れ、「(原子力政策 は)イデオロギーや過去の投資、惰性を排し、経済性や安全保障上の問題 などをもとに選択されるべきだ」と強調する。 鈴木氏は、国の核燃料サイクル構想に関する審議会の委員長や、原子力 委員会の原子力開発利用長期計画分科会座長を務めるなど、政策審議に10 年以上かかわってきた。 |