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このように、新しい枠組みを構築する要素はそろってきた。しかし、問題
は検討期限についての今回の決定だ。今回のCOP決定では、新しい法的な
枠組みの検討をいつまでに完了しなければならないかといった制限は規定さ
れていない。一方、同時に採択された京都議定書締約国会合決定(CMP)
では、第1約束期間と第2約束期間の間に隙間ができないよう検討作業を完
了させる努力をすることになっている。第1約束期間が12年で終了するこ
とを考えれば、検討期限の努力目標は来年12月のCOP17となる。これ
は京都議定書の延長を支持する途上国やEUにとって有利な交渉材料となる
だろう。
来年に向けて、京都議定書延長支持各国の動向には変化はないだろう。途
上国は、自分たちに削減義務が課されない京都議定書の固定化は大歓迎だ。
またEUにとっても、京都議定書はこれまでEU主導で温暖化国際交渉を
リードしてきた成果だとして、一種の象徴的意味を持っている。さらに実利
的にも、同議定書のもとでは、域内各国全体で削減義務を達成すればよいと
いう特例(「EUバブル」)が認められ、削減量にゲタを履ける有利な基準
年(1990年)が使える。域内排出量取引市場(EU−ETS)への悪影
響を回避するためにも、現状唯一の法的枠組みである京都議定書は必須の存
在である。
日本の立場に共鳴したロシア、カナダ、オーストラリアなどは、そう簡単
には京都議定書延長に賛成しないだろうが、最大の排出国であり政治大国で
ある米国は、脱退した京都議定書には無関係だとして、議論に参加する見込
みはない。こうした状況では、来年のCOP17でも、今年と全く同じ状況
が現出することは容易に想像できる。
そのうえ、上に見たように検討期限が迫ってくるため、日本が京都議定書
第2約束期間の設定を拒否しようとすれば、今年よりもさらに大きな外交的
圧力がかかってくる。拒否を貫く政治的決断はますます困難な選択肢となっ
てこよう。日本はCOP17までの1年間、温暖化外交の正念場を迎える。
道理に根差した次期枠組み構想を示し、国際社会を説得していくことが求め
られる。
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