■このG情報に異議あり■


読売新聞(2010年12月6日)


<スキャナー>


   [COP16 交渉ヤマ場]


         「京都延長反対 削減は全員で」


(その4)


   <本文転載>



 強硬日本に賛否

                                                           

 ◆カナダなど「正しい土俵」 * 途上国反発「先進国が率先しろ」◆

                                     先月29日(日本時間30日)に開幕した気候変動枠組み条約第16回締  約国会議(COP16)は4日、前半の日程を終えた。会議では、米中や途  上国を含めた温室効果ガス削減枠組み作りに意欲を見せる日本の強硬姿勢が  波乱を呼んでいる。途上国などから激しい批判を受ける一方、原則論を曲げ  ない日本の立場に理解を示す国も現れ始めた。7日からの閣僚級会議を控え  て論議は山場を迎える。メキシコの地から、実質的な温室効果ガス削減の道  は、果たして開けるのか。                               (メキシコ・カンクンで、河野博子、西島太郎、吉永亜希子)



 ■27%と8割

                                                             「日本の立場に少しずつ、近寄ってきている」                                                   ニュージーランド、豪州、カナダなどの先進国について、日本政府代表団  幹部はこう分析してみせた。                                                            会議初日の特別作業部会で、日本は「いかなる条件のもとでも、京都議定  書の延長は認めない」と発言。2013年以降の「第2約束期間」の設定に  反対する姿勢を明確に打ち出し、途上国も対象とするコペンハーゲン合意国  の枠組みを重視する考えを示した。                                                         05年に発効した現行の京都議定書は、欧州連合(EU)や日本などの先  進国だけを対象に温室効果ガス削減を義務づけるもので、国単位で大量の温  室効果ガスを排出しているアメリカや中国などは入っていない。                                            1990年ごろ、京都議定書で削減義務を負った国の排出量は、世界の総  排出量の7割弱に達していた。だが、米国は01年に議定書から離脱し、中  国など途上国の排出量も増加。08年での割合は約27%にまで減少した。  環境省幹部は「実効性のある対策のためには京都議定書の延長ではなく、カ  バー率で8割を超えるコペンハーゲン合意を重視すべきだ」と指摘する。                                        当初から議定書の延長を求めていた途上国は一斉に反発した。ほかの先進  国にも追随する動きが伝えられ、一時は日本が孤立するのでは、とも指摘さ  れた。                                                                      しかし、日本との2国間会談などを通し、ニュージーランドやカナダは姿  勢を変えつつあり、「日本は正しい土俵を作ってくれた」という称賛の発言  もあったという。「早めに態度をはっきりさせたことが良かった」と日本政  府は分析する。                                                                

 ■途上国は反論

                                                              日本の主張に真っ向から反発する途上国には、「産業革命以来、温室効果  ガスを排出し続けてきた先進国は、率先して削減する責務がある」との基本  姿勢がある。南米・ボリビアの大使は3日の記者会見で、「われわれは、京  都議定書を殺すことは認めない。すべての主要排出国が入る新たな枠組みを  目指す動きも、認められない」と激しい言葉を使って訴えた。                                             中国も4日の全体会合で、「議定書の第2約束期間を設定すべきだ。妥協  はいっさいしない」と主張した。                                                        

 ■EUの思惑

                                                               日本と途上国の間に挟まれ、会議の行方を大きく左右しそうなのがEUだ。 EUは今のところ、京都議定書を延長させ、さらに米中と途上国などにも法  的規制をかける別の「議定書」を作るべきだ、という立場。4日夜の全体会  合では、新たな全員参加の削減枠組みと、京都議定書の延長の双方について、 「両方が法的拘束力のある枠組みになることを望む」と言明した。                                           EUの立場の背景には、二酸化炭素(CO2)などを排出できる権利を売  り買いする排出量取引市場への影響がある。他地域に先駆けて、05年から  スタートさせたが、市場は低迷。日本の環境省関係者は「EUは、双方の枠  組みが頓挫し、削減の義務付けに空白期間が生まれると、排出枠取引が冷え  込むことを気にかけている」と分析する。                                                      一方、米国や豪州は、新たな議定書の作成を目指すかどうかは、態度を明  確にしていない。各国の閣僚は5日、続々と現地入りし、妥協点を探る論戦  が本格化する。閉幕は10日だ。                    


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