<社説>
<その2>
原子力発電所の建設が計画通りには進まない状況で二酸化炭素(CO2) の排出抑制とエネルギーの安定供給をどう両立させるか。 2010年をにらんだ長期エネルギー需給見通しを、総合資源エネルギ ー調査会(経済産業相の諮問機関)が3年ぶりに改定した。 省エネルギーの強化とともに、風力、太陽光発電などの新エネルギーを 目一杯開発する方針を示し、京都議定書で公約した地球温暖化ガスの19 90年比6%削減を達成する姿を描いてはいる。 |
しかし、それを実現するための政策には手詰まり感が強い。CO2排出 量に応じて課税する炭素税の導入など、抜本的な対策について議論を始め るべきだ。 |
需給見通しを改定したのは、経済、エネルギー情勢が急速に変わってい るためだ。2010年までに16〜20基としていた原発新設数は、原子 力への逆風を受け、10〜13基に引き下げた。 |
最終エネルギー消費の目標は、産業部門を下方修正したものの、IT(情 報技術)化などで増加が確実な民生部門を上方修正し、合計は原油換算4 億キロ・リットルと現行目標並みに据え置いた。 |
いくら日本のエネルギー弾性値がいいとはいえ、今後10年で微増、あるいは減少では、経済の上昇もあり得ないと、総合資源エネルギー調査会が予測したことになる。
これについても、読売新聞の社説は異議を唱えるべきだ。
種類別のエネルギー供給では、構成比で石油45%、石炭19%、原子 力15%、天然ガス14%、新エネルギー等3%程度との目標を掲げた。 現行に比べ、石炭を4ポイント、天然ガスを1ポイント増やす一方、石油 と原子力を各2ポイント減らしている。 CO2を排出しない原発が減り、排出量の多い石炭が増える結果、京都 議定書の公約達成はますます難しくなった。 |
ちなみに「基準ケース」の種類別のエネルギー供給での構成比は、石油45.0%、石炭21.9%、天然ガス13.2%、原子力15.0%、水力3.2%、地熱0.2%、新エネ等1.6%としている。
「CO2を排出しない原発が減り、排出量の多い石炭が増える結果、京都議定書の公約達成はますます難しくなった」と、簡単な説明ですり抜けているが、問題はそう簡単なものではない。
京都議定書の公約達成には、日本のエネルギー供給源を原発に依存させていかなければ如何に難しいか、強調しない社説に説得力はない。