読売新聞(2001年7月3日)

<社説>

   [エネルギー]==炭素税をめぐる議論も始めよ

<その1>


 地球温暖化を防止する方策として各国、特に先進工業国間で取り決めた「京都議定書」をめぐって、ブッシュ政権が不支持を表明したことで、日米欧間で丁々発止の交渉が続いている。

 「京都議定書」を何としても堅持しようとするEUは、アメリカが批准しなくとも、日本さえ批准すれば、世界最大の温室効果ガス排出国であるアメリカは世界から孤立するだろう、といった見方をしているようだ。

 ただ、この「京都議定書」の中に盛り込まれた排出削減目標値は、数字の上では、1990年を基準に2010年までに、EUは8%、アメリカ7%、日本とカナダ6%。これらの数値は、いかにも議定書に賛成しているEUの目標値が最も厳しいように見えるが、1990年当時、日本などはすでに排出規制を厳しくしていたから、そこからまだ削減目標を6%というのは厳しいものがあった。

 こういった各国の目論見の中で、期限は半分を過ぎ、「京都議定書」を批准しても、守れる国はあるのか、という疑問が出てきている。「1990年を基準にするのでなく2000年ごろとしてはどうか」とか、「期限を2010年は厳しいから2020年くらいに延期してはどうか」といった意見が出ている。

 小泉総理の初の外遊で、アメリカ、イギリス、フランスと歴訪し、経済とこの「京都議定書」についての意見交換が最もホットなテーマだったようだ。

 日本の各新聞は、連日、社説を組んだり、特集記事を出したりしているが、アメリカはなぜ執拗に反対しているのか、EUはなぜ推進しようとするのか、また、日本は批准しても本当に守れるのか、といった疑問に明確に応えてくれるものはないようだ。

 ここに紹介する読売新聞の「社説」は、日本の特にエネルギー実情について割合分かりやすく解説してくれている。ただ、二酸化炭素の排出量を抑制するために、「炭素税」を導入することを提案している、いや正確には「・・・導入について議論を始めることを提案」している。

 「炭素税」導入には我々は反対である。その理由は、「社説」を紹介しながら述べていこう。

          (次につづく)