◆事業者、投資二の足
青森県大間町に風力発電施設10基を建設する計画を持つJパワー(電源
開発)は2日、13年3月予定の運転開始を延期することを地元議会に伝え
た。同社が経済産業省に申請していた補助金が不採択になったためだ。
政府はこれまで事業費の3分の1〜2分の1を上限にした補助金で風力発
電を後押ししてきた。8月中旬に発表された10年度の交付先は33件。だ
が、昨年度は約20件あった新規はゼロだった。申請は8件あったが、すべ
て不採択とされた。経産省は「12年度以降は全量買い取り制度に切り替え
るため、建設に3年以上かかる風力発電の新規事業は不採択とした」と説明
する。
政府が再生可能エネルギーの普及拡大の切り札とする全量買い取り制度は、
風力や太陽光などによる電力を電力会社に従来より高値で買い取らせること
で、普及の後押しを狙う。09年の総選挙で同制度の導入を公約に掲げた民
主党が政権についたことで、経産省が12年度の導入に向け、具体化を進め
ている。
ただ、新制度の詳細はまだ決まらず、肝心の買い取り価格も1キロワット
時あたり15〜20円と幅を持たせたままだ。
風力発電は、電力の売却益に、国からの補助金を加えてようやく黒字を確
保できるのが現状。風力事業者などでつくる日本風力発電協会は補助金なし
なら、買い取り価格を現状の平均10.4円から20〜24円に引き上げな
ければ、採算が取れないと主張する。
国の支援策の先行きが見通せない現状に、風力事業者の足は重い。中国電
力が公募を経て決定した09年度の新規の風力発電の買い取り契約は、10
万キロワットの枠に対し、わずか1件1500キロワットにとどまった。九
州電力も09年度の契約は、前年度の10分の1にとどまっている。同協会
の永田哲朗代表理事は「買い取り価格がいくらになるか分からないのに、冒
険できないのではないか」と話す。
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