■このG情報に異議あり■
政権与党が打ち出した原発推進の理由として3項目を挙げている。そのうち 「温室効果ガス削減に原発は必要」と「産業競争力を維持するために、安定し経 済的なエネルギーが必要」というのは誰しも理解できると思うが、「再生可能エ ネルギー開発への投資を確保するためにも原発の稼働が必要」というのは少々解 説が必要だろう。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの開発には、助成金などまだ まだ投資資金が必要なのである。その資金を莫大な利益をもたらす原発から回収 しようというのである。つまり太陽や風力発電を増やすためにも原発の助けが不 可欠というのである。
「政府側は6日の会見で、50年までの長期エネルギー構想を発表。再生可 能エネルギーが発電に占める割合を30年までに50%、50年までに80 %にする目標を掲げた」
第2次メルケル政権が打ち出した「脱・脱原発」は完全な「原発推進」ではな さそうで「原発延命」となっている。つまり前政権が掲げていた「脱原発」では、 新規に建設はせず、運転中の原発のみ2020年ころまでに全部止め、廃止する というものだった。ところが今回の現政権による方針転換では2040年ぐらい まで運転が続けられるようになるということらしいのである。
「連立を組むキリスト教民主・社会同盟(同盟)と自由民主党の首脳と関係 閣僚が5日夜の協議で決めた。同夜のレットゲン環境相らの説明によると、 現在国内に17基ある原発のうち、1980年以前に建設された原発は従来 計画より8年間、80年以降建造の原発は14年間、それぞれ稼働を延長す る。従来計画では原発の運転期間は運転開始から原則32年間としていた。 独メディアによると、今回の方針転換で、40年ごろまで原発の運転が続く ことになる」
現在運転中の原発が、2020年までに全廃させられることになっていたとこ ろ、20年ほど「延命」させて2040年くらいまで運転が続けられるというこ とらしい。この程度の方針転換でドイツの温室効果ガス排出量削減は大丈夫なの だろうか?
それよりドイツの長期エネルギー政策は、再生可能エネルギー中心でいいのだ ろうか?総エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合を2030年ごろまで に50%、2050年頃までに80%にすると今から明言していていいのだろう か?
「脱原発」から「脱・脱原発」に方針転換された現政権の勇気ある決断に敬意 を表したいところだが、それが新規建設をせずに稼働中の原発の「延命」だけで はあまりにも消極的といえるのではないだろうか。
今回は記事を掲載した朝日に対してではなく、ドイツの第2次メルケル政権に 対して「異議」を主張せずにはいられない。
「G研」代表