1トン当たり2億6千万円−−加工・輸送費−−
<その1>
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という諺があるが、朝日新聞の原子力報道には、憎々しい感情があらわになっている。いちいち取り上げるのも大人気ないとも考えたが、大学入試問題に取り上げられる新聞の文章の中で朝日からは7割以上と聞くと、この新聞の世論に与える影響は無視できるものではない。よって、今回も少しは反論しておかざるを得ない。
この「MOX燃料、やっぱり割高」というタイトルからして憎々しげではないか。「やっぱり」という表現がつけば、原子力関係者から「決して割高ではない」といった説明を受けていたが、よく取材してみると「やっぱり割高だった」というような意味が含まれている。
使用済燃料をリサイクルして再度利用すれば、特に世界的に原子力開発が低迷している現在、ウラン原料が安くなっているときでもあり、その再生燃料のMOXが割高なのは当然であろう。再生紙がバージンペーパーより「割高」なのは大体の人は常識として知っているはずである。
そういう常識に欠ける記者が、再生紙や再生原子燃料が割高だったことに気づき、「やっぱり割高」という表現をすれば、ほとんどの読者が知っている「再生紙」の場合は恥ずかしいが、「再生原子燃料」の場合は、記者が恥ずかしいと取られるよりも、原子力関係者が「またごまかしていたんだろう」と捉える読者も少なくないだろう。
経済産業省資源エネルギー庁は、原子力発電のコスト試算に使った燃料 費のデータに関する文書を公開した。朝日新聞記者の情報公開法に基づく 請求に応じた。プルトニウムをウランと混ぜたMOX燃料の加工・輸送費 は1トンあたり2億6千万円だった。普通のウラン燃料の費用を同じ文書 のデータから算出すると同約2億3千万円。国策として割高な燃料を使っ ていく構図が改めて浮き彫りになった。 |