政府全体で取り組め
<その2>
今回は、この目標を「10〜13基」に下げるなど修正したが、原発建 設への厳しい空気からみて、電力業界には、それでも実現は難しいとの見 方がある。 |
マイカーや家電、サービス産業など民生分野でも大きな需要抑制を期待 している。この目標達成はさらに容易ではない。不況下でも需要が急増し ているからだ。 |
エネルギー部門はCO2(二酸化炭素)排出の大部分を占めている。20 10年のこの部門の排出量を90年と同じにするのが政府の目標だ。すで に90年より9%も増えていることを思えば、いかに困難かがわかるだろ う。 |
京都議定書の約束を守る努力をすべきなのは、いうまでもない。太陽光 発電、風力発電など新エネルギーの供給を今の3倍に増やすため予算、税 制、技術開発などさまざまな面で後押しすることも賛成だ。 |
それでも、9年間に原発を10基以上も増やさないと実現できない、と いうような計画を示されると、ややしらけてしまう。 |
調査会の審議の過程では「原発は1基も増えない」シナリオも検討した が、経済や国民生活への打撃が大きすぎるとして、参考資料にとどめたと いう。 |
なぜ「目いっぱいかゼロか」といった極端な打ち出し方をするのか。原 発については「2010年までに数基増える」との現実的なシナリオも必 要だと思う。 |
いっておくが、「数基」などといった表現のエネ政策はない。
「今後9年間でCO2排出量を9%も減らすためには、少なくとも原発10基は新規につくらなければならない。景気が上昇すれば、13基くらいはつくなければならないかも知れない」という意味である。
環境税を正面から取り上げていないのも疑問だ。「需要抑制の効果が弱 いし、効果が出るまでに時間がかかる」といった理由をあげているが、税 収を環境対策に使うことによって、エネルギー需要仰制、CO2削減にか なりの効果があるという試算もいくつかある。 |
新聞は、国民生活の中にかなり浸透したとはいえ、テレビやインターネットで世の中の動きは知ることができるから、生活必需品とはなっていない。しかし、電気を始めとするエネルギーは国民生活になくてはならない生活必需品、いや、水や空気と同じくらい重要だから「必需品」以上ではないだろうか。
だから、税金などの方法で恣意的に値上げしても、需要が落ちるとは思えない。むしろ、それによる国民生活への悪影響の方が心配だ。