
■このG情報に異議あり■
(その1)
世界は今や「原子力ルネサンス」というのだそうだ。その追い風に乗って日本
の原子力発電プラントメーカー三社は、新規建設が遅れがちな国内事業に業を煮
やしてか、原子力事業の重心をすでに海外においているように見受ける。
ところが、原子力関連企業が海外で受注するためには、日本と相手国との間で 原子力協力協定を結んでいることが必要最低条件なのである。日本政府はこの協 定を原子力先進国以外の国と結ぶことに今までは非常に消極的であった。
何故なら、原子力の平和利用に限定して協力することがこの二国間協定の最大 の目的であって、協力関係に入ってからも相手国の核兵器転用のそぶりすらない ことを常に監視することが技術を提供する側の国には要求されているのである。 そのような面倒な外交に首をつっこむ心づもりが日本政府にはなかったからので ある。
そのうえ日本は世界で「唯一の被爆国」というスローガンがあって、核の軍事 利用においては「非核三原則」があり、原子力の平和利用においては自主、民主、 公開という「原子力開発三原則」があって、それらの呪縛から逃れられず、原子 力開発の後進国との協力協定締結に日本政府としては消極的にならざるを得なか ったのであろうと思われる。
ところが今や原子力は、安価で安定した頼りがいのあるエネルギー源であるば かりでなく、地球温暖化対策のエースとしても再認識され、先進工業国ばかりで なく、途上国までが建設計画を全面に押し出すようになってきたのである。
ほんの過去30年の間、アメリカのスリー・マイル・アイランド(TMI)原 発の事故と旧ソ連のチェルノブイリ原発事故によって、とくに欧米の原子力開発 は完全に低迷してきたのである。そのような時代にあっても原子力先進国の中で 唯一日本は、エネルギー資源にも恵まれないことが幸いしてか、原子力開発を止 めることはできず、細々ではあったが続けてこられたのである。
そのうえ日本は、どこよりも安全規制が厳しかったことが幸いしたのか、米国 のゼネラル・エレクトリック(GE)社から技術提携を受けてきた日立、東芝、 そして同国のウエスチングハウス(WH)社の技術提携を受けてきた三菱重工の 三社は、世界でも有数の原子力発電プラントメーカーに育ってきていたのである。