「朝日新聞」(2001年5月28日)

      「民意」知り国は対話を

<その1>  
 <解説>今回の住民投票で問われたプルサーマル計画は国の核燃料サイ
クル構想の中核だ。反対が多数を占めたことで、「国策」である構想は一
段と厳しい状況に追い込まれたことになる。投票者の過半数が「反対」の
意思を示した住民との対話も、さらに求められる。          
 「プルサーマル計画は国の核燃料サイクル構想」の必ずしも「中核」ではない。中核は使用済み燃料の再処理であり、高レベル放射性廃棄物の処理・貯蔵管理であり、プルトニウムの消費量以上に生産するという「夢の原子炉」、高速増殖炉など、すべてである。

 「反対が多数を占めた」といった表現を随所に用いているが、より正確を期するなら、「反対は過半数を占めた」とか、「反対は1925人(53.4%)が投票した」となる。最近の朝日新聞の原子力報道では、一事が万事、このように「間違った表現」とはいえないにしろ、推進派にはずいぶん「不利な表現」が目立つ。

 国や電力会社、あるいは我々原子力を生業の糧としている技術者でも、地元の方々がお望みなら、「住民との対話」は、決してやぶさかではない。

 その際、「対話」が必要なのは、地元住民の方々ばかりではなく、むしろ報道関係者、特に朝日新聞の論説委員の方々も含め、原子力関連の報道に携わっている方々にこそ「対話」が必要では、と考えている。

 日本は核燃料を燃やした後、そのすべてを再処理工場に運んでプルトニ
ウムを取り出し、M○X燃料として原発で再利用する政策を堅持している。
再処理は現在、海外に依存しているが、4年後の稼働を目指し青森県六ヶ
所村に建設中の再処理工場で引き受ける。              
 「すべて」の使用済み核燃料を再処理することには反対だが、一部なら再処理しても良い、というお考えのように受け取れるが、間違っているだろうか?

 間違っていないなら、理解に苦しむ主張で、世界にも珍しいアイディアである。もう少し詳細な説明を拝聴したいものだ。

        <次につづく>