
読売新聞(2009年6月11日)
(その2)
「削減率について、首相が『大きいほど良いという精神論を繰り返すのは、 国民に対して無責任だ』と指摘したのは的を射ている」
確かにそうかも知れないが、省エネを国民に押しつけること自体、まさしく 「精神論」ではないのか。無責任と首相自ら指摘するなら、首相自身は何をやる のか? 総理官邸の省エネ努力は如何ほどであったか? まず首相自ら国民にお 手本を示さないなら、それこそ国民に対して無責任ではないのか。
「家庭や職場に最先端の省エネ機器を出来る限り導入する必要がある。太陽 光による発電量を現在の20倍にすることも求められる」
総理をはじめとする官僚はもとより、政治家個人の邸宅にはすでに最先端の省 エネ機器はすでに導入されているのであろうか。そしてその大邸宅の屋根には太 陽光パネルが取り付けられ、ご自宅の必要とする電気は自前のうえ、あまった電 気は電力会社を通じて庶民に無料で分け与えて頂いているのであろうか。ここま でしてはじめて国民に協力が求められるのである。
「日本の国益を維持しつつ、中国、インドを同じ枠組みに引き入れる。極め て難しい交渉となるだろうが、それができなければ、日本が不利な立場に追 いやられた京都議定書の繰り返しとなる」
世界の主要な原子力発電プラントメーカー五社のうち三社まで日本の企業とい うだけで、何ら難しい交渉とはなり得ないはずだ。海外での原発建設を否定され た京都議定書のときとは大きな違いである。条件が有利に揃った日本が、国際舞 台で不利な立場に追いやられるはずがない。ただし、原子力発電を地球温暖化阻 止のエースとして日本が堂々と主張できればの話である。