<その1>

朝日新聞夕刊、2001年2月24日

<ウィークエンド経済> ●ぜみなーる

  電力自由化の将来像 効率性と防災効果の重視を

         武石 礼司
        (富士通総研経済研究所主任研究員)

> 米国の州の中でもカリフォルニアは、規制緩和に積極的であり、環境規制、
>新エネルギーの導入を始めとして、理想的と考えられる制度を真っ先に導入
>する州として知られている。そこで生じた今回の電力危機は、これから電力
>の大幅自由化を目指す日本をはじめとした国々に、電力供給制度を設計する
>際の課題を、改めて示した。
 「規制緩和」「環境規制」「新エネルギー導入」の三点セットの導入は、「理想的な制度」と短絡的に結論づけること事態、武石氏の主張に問題がある。カリフォルニアの電力危機を検証するとき、「自由化はよし」からスタートするのでなく、それ以前の電力事業の原点まで戻ることが重要だと考える。

>◆規制緩和で経営危機
 
> カリフォルニアの大手電力会社二社の経営危機と電力供給不足に対し、州
>権限の大幅強化という応急措置がとられたことで、事態はとりあえず沈静化
>した。今後、電力需要がピークとなる夏場に向け、どんな対策が打ち出せる
>かが注目される。
 応急措置とはいえ「州権限の大幅強化」は、まさしく「規制強化」であり、自由化の基本である「規制緩和」に逆行するものだ。

 カリフォルニアの冬は、暖房がほとんど不要だから、日本の電力需要のような、夏冬2回のピークを描く「二こぶラクダ」ではないから、冬の電力需要は、むしろ谷間であった。それにも関わらず電力危機に陥ったのであるから、ピークの夏場は何倍もの深刻さを増すと言わざるを得ない。従って、この夏までに「自由化」に見切りが付けられるかどうかにかかっている。

    (次につづく)