(その2)
<本文転載>
石油が不安定な値動きを続けている。それなのに米国は、整合性あるエネ ルギー安全保障外交を欠いている。米国にとって重要なのは、同盟国と一緒 に、環境保護や代替エネルギーの開発、主要エネルギー生産国との対話を進 めることだ。欧州や日本と連携することによってのみ、国際市場における米 国の影響力を高めることができる。こうしたことが、軍事的措置よりも国家 の安全に寄与するのだ。 日本は主要国の中でエネルギー効率が最も高く、エネルギー外交で特別の 役割を果たすことができる。主要な資源輸出国のエネルギー効率は低く、ロ シアからペルシャ湾まで続くこうした国々に対して、日本の技術支援を伴う エネルギー効率化プログラムを広げれば、米国や他の消費国の利益にもなる。 また中国やインド、韓国は米国とエネルギーに関する二国間対話を行って いる。日本もこうした対話を検討すべきだ。 米国と日本、欧州はエネルギーに関して共通の利害を持ち、互いに強みを 補完できる関係にある。日本は産業界のエネルギー効率で主導的立場にいる。 一方、ドイツは太陽エネルギー政策で最も進んでいる。高速大量輸送では、 米国は太平洋や大西洋を越えたパートナーに学ぶことができるし、米国にお ける車の相乗りの試みは、同盟国の参考になるかもしれない。 日米欧が協調するエネルギー外交の核心は、ロシアとイランの関係だ。両 国は軍事力と地政学的野望を持つエネルギー供給国として、結託して事を起 こす動機を共有している。エネルギ一価格の引き上げや、市場を混乱させる 政治的・軍事的措置などに踏み切るかもしれない。 こうした危険は、米外交が生み出した結果でもある。ブッシュ政権は、民 主主義の拡大や人権擁護を重視するいわゆる「価値外交」を進めたが、イラ クに無秩序をもたらし、イランの被害妄想を深めたばかりか、コソボ独立や ウクライナ、グルジアなどを支持する政策により、ロシアは本拠地で挑戦を 受けているとの危機感を強めた。 同盟国間の対話は、それぞれ関心が強い事柄に焦点を絞る必要がある。欧 州はロシアとの関係のバランスをとりながら、中東や中央アジア、コーカサ ス地域からのエネルギー確保に関心がある。日本と韓国は、液化天然ガスの 確保や中東地域の安定、ペルシャ湾からのシーレーン確保を重視するだろう。 また、中国やインドがポスト京都の枠組みに関与する新たな方法を見つけ なければならない。整合性のあるエネルギー安全保障外交は、次の米大統領 にとって必要不可欠なのだ。 |