カ州の停電===反自由化の口実にするな
> 停電で信号が消え、工場が休む。とても先進国とは思えないような事態が >米国カリフォルニア州で起きている。電力自由化を進めるなかでのトラブル >である。今日の都市型社会の中での停電は、想像を絶する大きな影響を与えた。そのことは、さすがの朝日も「とても先進国とは思えないような事態」といった表現で、今回の米国カリフォルニア州での停電を報じている。また、それが「電力自由化」と密接な関係にあることも認めているようだ。
> 日本では、小売り電力の自由化が、まずビルや工場など大口需要家向けで >始まったばかりである。「それ見たことか」と水を掛けるのではなく、自由 >化先進地での混乱から、冷静に教訓を学ぶべきだろう。日本の電力自由化を推し進めたのは、当時の通商産業省(現在の経済産業省)であるが、それをバックアップしたのはマスコミであり、とかく原子力開発には批判的な朝日新聞であった。もちろん電力業界は、早期自由化には疑問を呈したが、それまでの「供給義務」の足枷から解放され、事業の拡大が認められるならと、世界の流れと国の政策転換には従わざるを得なかったのである。
今回のカリフォルニア州での電力供給の混乱は、誰も「対岸の火事」とは考えていない。ましてや「それ見たことか」等と揶揄する気にはなれない。「明日はわが身」と考え、業界としてすでに現地調査を開始している。
マスコミ、特に朝日新聞は、特別取材班を現地に派遣するなど、本当に電力の自由化は良かったのか、電力の自由化は、原子力発電など、先行投資型の大規模発電システムの建設を阻害してはいないか、風力発電所など自然エネルギーは、この電力自由化によってますますその開発は加速されたか、といった点について、詳細に取材するべきだろう。それが心ある報道機関の努めと考える。
> カリフォルニアの電力危機は、記録的な猛暑になった昨年夏に顕在化した。 >電力不足によって料金が高騰し、シリコンバレーでは停電が起きた。今年に >入って事態はさらに深刻になり、多いときには二百万人が影響を受る停電が >断続的に起きている。一旦「自由化」が大手を振って歩き出したら、営利追求の民間企業としては、目先の利益追求に追われ、どんなに電力危機が顕在化しても、もう関係者に打開策を見つけるゆとりはなくなっていた、ということを如実に表している。
> 同州は、三年前から完全自由化に向けた本格的取り組みを始めた。競争を >促すため、大手には多くの発電設備を売却させ、配電部門をもつ電力会社は >一つの卸売り取引所から電力を買い、小売りする仕組みになった。原子力発電所など大規模な発電所を建設するには、計画から運転まで20年はかかろうというとき、電力危機は自由化開始からわずか3年で現れてしまった。あまりにも短期間で結果が出てしまったということである。恐ろしいことだ。「光陰矢の如し」で、自由化を見直すにもあまり時間がない。