2000年12月2日付け「朝日新聞」の「天声人語」


>[天声人語] 反原発運動の先頭に立っていた科学者、高木仁三郎さんが六
>十二歳で亡くなってやがて二カ月。この十日に、東京・日比谷公会堂で「偲
>ぶ会」が催される。
 朝日新聞といえば、世界的にも知られる大新聞です。その中でも「天声人語」は、最も人気の高いコラムで、担当執筆者は、数ある記者の中からベテラン中のベテランが指名されると聞いています。

 「天声人語」には、あらゆるテーマが取り上げられていますが、少なくともいままでは、受験生の試験問題に何度となく取り上げられてきたことで分かるように、読者の目覚めに清涼感を与えてくれるものでありました。

 ですから、この12月2日の「天声人語」を、いつものように真っ先に読み出しました。テーマは、先日亡くなられた原子力反対派のリーダーの「偲ぶ会」−−−そこから展開してこの方が書かれた本の中を引用した内容で終始していました。正直に言いますと、大きな落胆を覚えました。

 この方が書かれたものは、読まなくとも、原子力はいかに恐いか、原子力関係者はいかに信用できないか、というものに限られていると、ほとんど断定できます。それをあえて、「天声人語」担当の、朝日新聞記者のベテラン中のベテランは、そのまま引用されているのです。

 「記者は記事をペンで書くのでなく、足で書け」「どんな情報でも必ずウラをとれ」と、新米記者は現場の先輩記者から教えられた、と聞いたことがあります。

 ところが、12月2日の「天声人語」は、原子力反対派の一人のリーダーが書いた著書だけをたよりに、足はまったく使わず、ウラもとった形跡もなく書いておられます。

 「講釈師、見てきたような嘘をつき」という川柳がありましたが、朝日新聞の人気コラムを任されるほどのベテラン記者も「講釈師」になられたのだろうか、といえば、あまりにも講釈師に失礼でしょうか。

     (つづく)