
(その1)
東京電力の柏崎刈羽原子力発電所は中越沖地震で被害を被った。現在その復旧 作業が急ピッチで進められている。その地元周辺も大きな被害を受けたことは周 知の通りだ。
東京電力は、地元の復興にもできるだけの協力をしようと、同社社員や写真の 家族に旅行するなら新潟へ行くように薦め、福利厚生費用から重点的に補助を出 すことにした。
当たり前のことを東京電力はしていると思うのだが、原子力開発に批判的な朝 日新聞、とりわけ社会部は、これが気にくわないらしい。地元でも日頃から批判 的な人たちを重点的に取材し、「有り難いが、やりすぎでは・・・」というコメ ントを引き出して記事にしている。次の一文がその代表例だ。
「これに対し、柏崎市内のある宿の経営者は『涙が出るほどありがたかった』 としながらも、『これでいいのか』と悩みを漏らす。東電社員の宿泊は、市のあ っせんだったからだ。市によると、東電は9月末まで社員の宿泊のあっせんを市 に依頼し、市は約2千人分を各宿泊施設に割り振った」
「柏崎市内のある宿の経営者」と、匿名にした人物からの意見だという。そし て同氏は、「市を使うのは、<東電はやってますよ>というポーズ。結局、原発 再開に向けた地ならしに過ぎないのではないか」とコメントまでいったことにな っている。ここまでいわせるなら、実名を載せて、東電社員の宿泊を断るべきで はないのか、と朝日は諭すべきだろう。
そして、もちろん「結局、原発再開に向けた地ならし」であって、「過ぎない のではないか」と疑問視する必要性は毛頭ない。だからといって、原発再開に疑 問を抱くなら、そう意思表明すべきだろう。東電社員に泊まってもらって、旅館 業再開に協力してもらったから、東電の原発再開に疑問を抱いても、声に出して 言ってはいけない、という考えはないだろう。