日経新聞(2007年11月11日)


<サイエンス>


[高レベル放射性廃棄物の処分方法]


    原発ごみ地下300メートルに


       水の浸入や地震 克服へ技術培う

 

(その1)


 「普通のゴミではなく強い放射能を含む危険な廃棄物なので、地下深くに埋め る計画だが、海外でも始めたところはまだなく、新しい技術への挑戦だ」

 放射性廃棄物の話になると、大概、こういった書き出しになるのが普通だ。

 しかし、どんなに危険なのか? 地下深くとはどれくらい深いところに埋めな ければならないのか? といったことを具体的に説明しなければ、原子力発電所 から出る廃棄物に対する恐怖感は募るばかりであろう。そして、これでは、その 廃棄物の埋設処分場など引き受けてくれるところなど、よほど財政的に困ってい るところか、よほど奇特な自治体でない限り手を挙げてくださらないであろう。

 使用済み燃料を再処理して出てくる核分裂生成物は、確かに近寄ると危険な高 レベルの放射性物質だが、平均的な家族が1年間に消費する電力を発電するのに 必要な二酸化ウランの燃料は、小指の一関節程度の大きさであるから、それから 分離された廃棄物の量はそれより少ない量ということになる。つまり、廃棄物は 危険だが、量が少ないから、取り扱いはやりやすいといえるのである。

 埋設する深さは、一応、ゆとりを持って地下300メートルのところが考えら れている。したがってそれほど深いところでもない、といえよう。

 「処分後、高レベル放射性廃棄物がウラン燃料と同じレベルの放射能に戻るま で数千年、人間が触れても大丈夫になるには数万年以上かかるとされる」

 これだと、使用前のウラン燃料はすでに、人間が触れられないほど高い放射能 を持っているように聞こえるが、ウラン鉱石はもちろんのこと、二酸化ウランの ペレットも、人間が触れてもまったく大丈夫である。

 「核のゴミ」といった表現が一般にされているから、非常にやっかいなもの、 といったイメージが一般の人たちのイメージに定着しているようだが、正式には 「高レベル放射性廃棄物」と呼び、その埋設処分場などは、原子力発電所の安全 装置などとは比べものにならないくらい、心配のいらない施設といえるのである。

 したがって、発電所の立地点は、海に面したある程度広い敷地を必要とするが、 一方の廃棄物処分場は、都会の公園など公共施設の地下などで十分対応可能であ る。発電所は地方に、そして廃棄物処分場は、電気の主要な消費地である大都会 に引き受けてもらうのがいいのではないか、と思っている。

           「G研」代表

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