1)<4段13行目> >ほかのトラブルが重なれば、制御できなくなった可能性がある。原子力発電所の安全対策は、多重防護を基本に考えられており、「異常発生の防止」「異常拡大の防止」「放射性物質の異常放出の防止」の三段階で安全対策が講じられています。つまり、まず異常事態そのものの発生を防止しなければなりませんが、異常事態が発生してしまったら、更にいくつかの偶然が重なってもその拡大の防止に努め、放射性物質を外部に放出して周辺環境に影響を与えることのないよう「止める」「冷やす」「閉じ込める」の基本的な考えを踏まえた多重多様なシステムを確立しています。ですから、反対派の「原子力資料情報室」がコメントするような「制御できなくなった可能性」などあるはずがありません。
2)<4段15行目> >老朽施設や配管などは地震に弱いのではないかと以前から懸念されていま >した東京電力が持っている原発の中で最も古い福島第一原子力発電所1号機があと何年の寿命か調査したことがあります。その調査報告書「福島第一原子力発電所1号機の高経年化対策評価」の中でも明らかにしていますが、減肉等の経年変化事象が耐震設計に影響を及ぼす可能性があると考えられている炉内構造物や配管系について耐震評価を実施しましたが、その結果、安全上問題がないことを確認しています。ですから、老巧施設の耐震懸念など完全に払拭されています。
3)<5段4行目> >もっと福島原発の近くで、M7級の規模ならば、大惨事になっていたので >はないでしょうか。原子力発電所の耐震設計にあたって、過去の地震や活断層調査、地震地体構造の知見などに基づき、考慮すべき地震を想定して「基準地震動」を策定しています。福島第一、第二原子力発電所においても、以下の地震を元に策定した「基準地震動」を使って耐震設計を行っています。
基準地震動S1:1946年6月9日に起こった陸前地震(M7.6) 基準地震動S2:プレート境界付近の地震(M7.8)などですから、福島第一、第二原子力発電所は、その敷地周辺で想定されるM7クラスの地震に対して十分耐震性があると確信していますから、ご安心下さい。
4)<5段8行目> >実際に、福島はプレート境界型の大地震が起きやすい場所です福島沖でプレート境界型地震が多く発生していることは事実です。しかし、上でもご説明しましたとおり、原子力発電所の耐震設計にあたって、過去の地震や活断層調査、地震地体構造の知見などに基づき、考慮すべき地震を想定して「基準地震動」を策定していますから、当然、このプレート境界型地震を福島原発の基準地震動S2に組み込んで耐震設計を実施しています。
5)<5段11行目> >全国の原発は、大地震の直撃が予想される場所に設置されているものが少 >なくない。「大地震の直撃が予想される場所」をあえて選んで原発を建設していることはありませんが、たまたまそういう地点に立地することになっても、原発の耐震設計にあたって、過去の地震に加え、有史期間にはたまたま発生していない地震を見過ごすことのないよう活断層による地震も考慮に入れることになっています。
さらに、地震地体構造上、その地域では将来起こり得るかもしれない地震についても耐震設計の考慮に入れています。
このように原発の耐震設計においては、過去の地震はいうにおよばず、活断層、地震地体構造などを考慮して起こり得る地震を評価していますから、大地震の発生が予想される地点では当然これも考慮して、耐震上問題がない設計、建造物と判断されています。
6)<5段15行目> >若狭湾の原発群は大地震の空白域にあるし、若狭湾地域には地震の空白域が存在するという説は承知していますが、同地域の原発の耐震性を評価するに際して、敷地内はいうに及ばず、敷地周辺の活断層も、文献調査から、空中写真判読、地表地質踏査、海上音波探査などで詳細に調査しています。
その結果に基づいて耐震設計の安全性は確認していますから、たとえ「空白域」と指摘された活断層が存在するとしても、敷地に影響を及ぼす地震の発生源となりうる活断層も含めて考慮していますから、地震に対する安全性は万全と考えています。
7)<5段15行目> >柏崎刈羽原発も大地震の発生帯。柏崎刈羽原子力発電所の耐震設計においても、他の原発同様、想定される大地震について十分考慮されたと考えます。なお、この発電所の周辺に、「日本海東縁変動帯」と呼ぶ論理を展開して地震の空白域の存在を主張している説がありますが、これはまだ学会で議論されており、定説にはいたっていません。仮にこの説の空白域に起こり得る規模の地震が発生しても、発電所の敷地に与える影響は、耐震設計に使った基準地震動による影響を上回るものではないと考えています。
8)<5段16行目> >浜岡原発にいたっては東海地震の予想震源域にあり、世界の常識からは考 >えられない。浜岡原子力発電所の耐震設計において考慮された地震は、M8.0の想定東海地震、M8.4の安政東海地震、そして、M8.5という最大規模の地震として南海トラフ沿いに想定される地震などが入っています。ですから、安全上重要な施設については特に、適切な耐震設計を行ったと判断されています。
9)<5段22行目> >7月24日に島根県知事が島根原発の増設計画に同意しましたが、この原 >発の直近には活断層があり、地震予知連絡会が特定観測地域にしている。島根原子力発電所の近傍の活断層についても、物理探査、ボーリング調査など、詳細な調査の結果、耐震設計に考慮すべき活断層と判断し、耐震安全性の検証を行っていますから、島根原発の今回の増設計画が耐震上問題になることはありません。
そもそも原子力発電所の耐震設計とは、過去の地震、活断層、地震地体構造等を考慮して起こり得るあらゆる地震を評価していることから、その地域において想定される地震について耐震の安全性に問題があるはずはありません。そのことは、地震予知連絡会が指定した「特定観測地域」に立地する原発でも変わるものではありません。
「G研」代表
追伸:「週刊朝日」が発売されてから分析、調査、作文と、ネットにアップ するまでに1週間以上かかってしまいました。アジテーションの記事な ら正確さは要求されませんからサラサラと書けるでしょうが、それを正 確に反論するとなると意外と時間がかかります。そういったこともご賢 察賜れば幸いです。