<経済教室>
[原油価格、一時70ドル突破]
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産・消の緊急サミット開け
価格安定策推進へ
主要国・OPEC、協調を
須藤 繁(国際開発センター主任研究員)
(その2)
石油産業論がご専門の須藤氏は、産油国の首脳も招待した臨時エネルギーサミットの開催を提唱されている。
「相場高騰への対応策はすでに出そろっており、いま必要なのはその実施の意思を国際的レベルで確認することであり、世界の主要消費国と産油国による臨時エネルギーサミットを開くべきだ」
ここで問題は、すでに出そろったされる「相場高騰の対応策」は何かということだ。須藤氏はこうも述べておられる。
「こうした需給の不安要因が解消しない以上、原油価格は当面、高水準で推移すると考えざるを得ない」
「相場高騰の対応策」とは、どうも需給の不安要因を解消することらしい。すなわち、需要を減らし供給を増やすことができないかぎり、原油価格は下がらない。では、いかにして石油の需要を減らし、供給を増やすというのか。
須藤氏はこうも強調されている。
「IEA、IMF(国際通貨基金)など、関係国際機関の一連の検討により、油価高騰への対応策は実務的にはすべて出尽くしており、いま必要なのは、その実施の意思を国際的レベルで確認することである」
須藤氏の主張を読み進み、重要と思われるフレーズを書き出してみよう。
「こうした上流部門の産油能力や下流部門の精製能力の拡張が行われて、ようやく石油需給バランスは均衡し、原油価格の高止まりは解消に向けて動き出すことになる」
「世界的な不均衡及び高騰する石油価格という課題に対処するため、構造改革、エネルギー効率の向上、石油市場の透明性の向上などに取り組むこと」
「産油国に対し、世界経済の力強い成長を支えるため、良好な投資環境を促進するのに必要なすべての措置をとるよう奨励する。特に、透明性のある商慣習を持った開かれた市場を確保し、外国投資の機会増大を含め、石油部門への投資のための安定的な規制枠組みを提供すべきである」
しかし、これでは高騰する石油価格を抑えるには、あらゆる手を打って石油の供給量を増やすこと、その方策を「臨時エネルギーサミット」で確認せよという提案のようである。一方の需要を押さえる方策は、「構造改革、エネルギー効率の向上、石油市場の透明性の向上など」としており、具体性に欠けているように思える。
「討議テーマは産油能力の拡張と石油情報システムの確立が中心になる。そしてこのようなサミットの場において、中庸な原油価格こそが中長期的には産油国・消費国双方の利益になることを再確認すること」
というのでは、「臨時エネルギーサミット」を開いても、成果はあまり期待できそうにない。つまり、消費大国が産油国の首脳の尻を叩き、増産を迫っても、地球資源には限度があり、枯渇時期を早め、同時に地球温暖化を進めることになることは自明だ。
原油価格を安定させ、貴重な地球資源をできるだけ長持ちさせるには、石油の消費量を減らすことにこそ力を注ぐべきではないのか。
省エネはいうに及ばず、代替エネルギーの開発推進こそ、我々消費大国は努力すべきであり、原油価格が高騰しているいまこそ、チャンスと考えるべきと思うが、どうだろう。経済大国が市場介入したり、増産を奨励すべきではない。
地球環境と地球資源、それに世界経済を大局的に見れば、石油産業の衰退など取るに足らないとまで思えてくる。
「G研」代表