[2段目] > いまや虚構になった「原発二十基増設」の旗は、降ろすべきだ。できもし >ないと知りながら主張を続けることが、政府への信頼をおとしめているだけ >でなく、温暖化対策など現実の政策も混乱させているからである。何のために「原発二十基増設」の旗は降ろすべきなのでしょうか。臨界事故を起こしたその責任を関係者にとれとおっしゃるなら、それはよくわかります。その責任が「原発二十基増設」の旗を降ろすことではないはずです。何故なら、原発建設は、関係者の利益のためではなく、国民のためだからです。臨界事故の責任を国民全部に負わせる必要性はどこにありますか。
原発建設がストップすれば、関係者はある程度困惑するでしょうが、そんなことは重要なことではありません。安定して質の高い電力の供給による恩恵を受けている国民全体が、原子力の開発を止めることによってどれほど不利益を被るか、これこそ最重要課題として検討していただきたいと思うのです。
ですから、マスコミの方々へのお願いは、少なくとも省エネ運動を盛り上げていただくことです。電気をじゃんじゃん使いながら、脱原発を主張されても、とうてい聞き入れられるものではありません。
例えば、電力需要のピーク時期に合わせて毎年開催されている夏の高校野球を、電力需要の端境期に開かれている春の選抜大会か秋の国体と吸収合併してやるという方法も、夏の高校野球という日本の風物詩を残すというノスタルジーはこの際あえて忘れて、省エネ→脱原発・脱石油のためにも是非ご検討いただきたいと思っています。
[3段目] > そのうえで、原発に批判的な人たちも合め、市民や非政府組織、政党など >各界の代表者で構成する検討組織を、内閣か国会に設け、率直で現実的な議 >論を始めてはどうか。その結論を受けて、国会が最終的な判断を下すのであ >る。国会で国のエネルギー政策を論じる「エネルギー常任委員会(仮称)」を設置されることは大いに賛成です。今までの日本のエネルギー政策は、ほぼ3年ごとに改定して出される「長期エネルギー需給見通し」ですが、これは国会で議論されることもなく「閣議決定」で一人歩きしていたのです。わが国のエネルギー政策により重みを持たせるためにも、最高決議機関である国会で十分議論していただきたいと、かねてから思っていました。
その国会審議に併せて、いろいろな団体から意見を聴集していただくことも大事でしょう。ただ、エネルギー問題はグローバルでロングレーンジな視点で捉えなければならないという極めて専門的な検討を要しますから、「朝まで生テレビ」的な議論を繰り返しても、いい結論が得られるとは思えません。このことは十分注意して進めなければならない点でしょう。
[3段目] > 米国のスリーマイル島原発や旧ソ連のチェルノブイリ原発のような、巨大 >事故の可能性をはらむ。何万年も放射線を出し続ける放射性廃棄物という核 >のゴミを残す。 >「原発でつくった電気は安い」という政府の説明にも疑問が出てきた。「複数の選択肢を示せ」という中見出しの横に、上記のような独断と偏見に満ちた原子力に対する見解を示しておられるということは、この「複数の選択肢」の中から「原子力をはずせ」と主張されているのと同じではありませんか。
日本の原発は「巨大事故」を起こす可能性はまったくありません。「まったく」という言葉を技術者が簡単に使うべきではありませんが、ここではあえて「まったくない」と申し上げておきましょう。
原子力の経済性も、昨年12月に総合エネルギー調査会原子力部会から提出された報告書で確認されています。それによりますと、電源種別発電原価の試算結果は次のようになっています。
−−−−−−−−−−−−−−−−− 電源種 発電原価(円/kWh) −−−−−−−−−−−−−−−−− 原子力 5.9 水力 13.6 石油火力 10.2 LNG火力 6.4 石炭火力 6.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−この原子力の発電原価5.9円/kWhのうち、核燃料サイクル関連コストは1.65円/kWh、そのうち、使用済み燃料の再処理コストは0.63円/kWh、また、放射性廃棄物の中間貯蔵費用も含めた、いわゆるバックエンド費用は0.29円/kWhとはじいています。この数値が信用できないとおっしゃるなら、どうぞご自分ではじいてみて下さい。