<読売新聞>(2002年4月9日)

[社説]=====================「電力自由化」
       発・送電の性急な分離は危険だ

<その1>


 電力業界が、経済産業省の審議会で、家庭用を含む電力の「全面自由化」
を受け入れる考えを表明した。                   
 自由化、自由化と草木もなびく世の中になってきたら、電力業界としても受け入れざるを得ないだろう。

 その代わり、ご期待どおりの値下げにならなくても知りませんよ、といっておこう。それに先行投資が高い原子力発電所はますます難しくなるようだから、簡単な火力ばかりが増えて地球温暖化の元凶である二酸化炭素の排出量が増えても知りませんよ、ともいっておこう。

 それから、原子力じゃなくとも、どんな発電所でも建設できさえすればいいのだが、誰でも安定して売りやすいベースロード部分の電力のみ販売しようとすれば、安定した商売が望め、夏のほんの一時期のピーク時の電力需要などは無視されるようになる。

 将来の夏のピーク需要を予測した増設計画などが立たなくなると、カリフォルニアの停電のような事態が起こっても、供給義務という足枷が取り払われた電力事業の自由化なのだから、既存の電力会社は新規の参入者と同様、供給責任などは負いませんよ、と一応警告しておこう。

            (次につづく)