原発コスト5割増 なおLNG並み
太陽光 20年で半減
電源別の発電コストの試算は、政府がエネルギー政策を見直すうえでの土
台となる。これまで再生エネも含めた統一基準による試算はなく、コスト比
較が難しかった。
試算は主力の発電方式である火力、原子力ともに大幅なコスト上昇を見込
む結果となった。将来の電気料金の引き上げは不可避との見方もある。
東京電力福島第1原子力発電所の事故を踏まえた原発のコストは、東電に
関する経営・財務調査委員会報告に基づき、損害賠償など事故費用を約5兆
8000億円と仮定。11月に原子力委員会が示したコストより除染費用な
どで約1兆円上積みした。最低コストの8.9円は依然、火力や再生可能エ
ネルギーに比べて割安となっている。
ただ、試算は除染費用の一部や放射性物質の中間貯蔵施設の建設費などは
含んでいない。事故に伴う廃炉費用も未確定。このため8.9円は「あくま
でも下限」で、費用が1兆円増えるごとに1キロワット時あたり0.09円
コスト増になるとした。事故費用を20兆円とした場合の原発の発電コスト
は10.2円となる。
火力の発電コストの試算は30年に石炭が10.8円、LNGは11.0
円。電力需要の拡大時に使う石油は30年に38.9円で04年試算からほ
ぼ倍増。国際機関による燃料費の高騰予想を加味したためだ。環境税など地
球温暖化対策経費も含めた。
原子力の代替エネルギーと期待される風力、太陽光などの再生エネのコス
トは20年で最大5割減少する。大量生産や技術改良によるコスト低減を見
込んだ。
30年までにコスト減を見込む再生エネも10年の足元の試算では依然、
高コスト。普及には時間がかかりそうだ。
エネ・環会議のコスト等検証委員会は年末までに最終試算をまとめ、公表
する。今後は経済産業省の総合資源エネルギー調査会が中心となり、ベスト
ミックスの見直し論議を本格化する。
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