「読売新聞」2002年3月15日

[温暖化対策大綱]

        個人の生活まで取り組みは及ぶが
        温室効果ガス削減目標達成の道は険しい

<その1>

 日本政府の地球温暖化対策推進本部(本部長=小泉純一郎首相)は、2月19日、京都議定書で日本が義務づけられた温室効果ガスの1990年比6%削減を実行するための具体的な計画「改訂地球温暖化対策推進大綱」を決定し、発表した。

 新聞各紙は、その内容を詳しく報じ、社説や解説で日本政府の取り組みに対する評価を掲載している。その評価は、マスコミ自身が原子力発電所の推進を常々賛成しているかどうかによって大きく分かれるところだ。

 まずは、読売新聞の解説記事から見てみよう。読売の解説は、「科学部 石黒 譲」と署名入りで、それだけみても、誠実な解説を伺わせるものである。

 京都議定書が定める温室効果ガスの削減義務達成に向け、国内で実施す
る対策の全体像を描いた新しい地球温暖化対策推進大綱の案がまとまった。
 地球温暖化防止のための京都議定書は日本に温室効果ガス排出量を20
08年−12年の平均で、1990年に比べ6%削減するよう義務づけて
いる。新大綱案は、議定書を批准した後、日本が取り組むべき具体的対策
の全容となる。対策ごとの削減量も数値で示した。          
 それによると、製造業を主体とする産業部門は7%、家庭と事務所を合
わせた民生部門は2%削減し、排出が著しく伸びている運輸部門について
も17%の増加にとどめることを目指す。              
 1999時点での排出量が1990年と比べて産業部門0.8%増、民
生部門17.5%増、運輸部門23%増だった実態を踏まえると、新大綱
案が掲げる目標がいかに大変かがわかる。              
 同「大綱」の概要がポイントを押さえて簡潔に記述されている。特に追記することはなさそうだ。

           (次につづく)