
■これは同感できるG情報■
東京電力の福島第一原子力発電所の1号機から6号機までの原発はすべて国の 許可を得て建設され、運転してきたものである。すなわち「その場所にその設計 で建設してもよろしい」という国の許認可を得て東京電力が建設して運転してき たものである。
しかもその建設には東京電力と契約した原子炉プラントメーカーが設計から試 運転まで責任を負って進めてきたのである。因みに1号機の主契約社は米国ゼネ ラルエレクトリック(GE)社単独、2号機は同じGEと東芝との共同契約、3 号機は東芝単独、4号機は日立が単独、5号機は東芝単独、6号機はGEと東芝 が共同で進めてきた原発なのである。
したがって許認可を下ろした国にも責任があるはずだし、設計し建設したプラ ントメーカーにもいくらかの責任分担すべきだろう。
それに今回の事故は津波によって引き起こされたことは明らかだから、福島第 一原発周辺に起こるマグニチュード8以上の地震の発生確率はゼロとしてきた政 府の地震調査研究本部は今回の福島原発事故の責任分担がゼロとはいえないだろ う。
「にもかかわらず東電をひとり悪役に仕立て、自らは東電を叱り、指導する役 回りを演じている」菅政権は以ての外ではないだろうか。
「賠償の払い手として東電を存続させ、破綻(はたん)させたり、一時国有 化したりはしない。だから株主責任も、銀行の貸手責任も問わない」
「今回の事故の一義的責任は東電にあり」と主張して止まない菅政権は、莫大 な賠償金を払い続けさせるため、東電を破綻には追い込まず、一時国有化などに もしないという。
はたしてこのような状況のままの東電は、日本の首都圏に安定した電力供給と いう本来の業務を続けることができるのだろうか。
「表向きは国民負担が避けられたように見える。だが実際は電気料金の引き 上げという形で国民に賠償負担が回るのは間違いない。菅政権はその点を正 直に説明していない。これでは最終的に国民の理解は得られないのではない か」
太陽光発電で余った電気を電力会社に高額で買い取らせることに決めた時もそ うだったが、今回の事故に対する賠償を東電にやらせ、国は東電に資金提供はす るが、賠償金を支払うことをしないから「表向きは国民負担が避けられたように 見える」が、「実際は電気料金の引き上げという形で国民に賠償負担が回るのは 間違いない」ということらしい。
国民の人気が気になって仕方がないらしくて姑息な方法を考えた菅政権だが、 内情は国民に筒抜けで「最終的に国民の理解は得られない」だろうというのだ。
「その経験は東電問題にも生かせるはずだ。再生委員の一人だった片田哲也 元コマツ会長は『今の菅政権は人気取りばかり考え、思いつきで政策を決め ている。まず原則を作るべきだ』と指摘する」
菅直人首相自身、日本長期信用銀行の処理策で「透明性や説明責任を果たすた め、法曹や産業など各界のプロを集めた金融再生委員会を設置。決定過程をすべ て公開した」そうで、その経験が「東電問題にも生かせるはず」といった主張で ある。
しかし、退任間近の菅総理には最早その力もやる気もないだろう。
「東電は政府案のままなら、水俣病の原因企業チッソのように数十年にわた って賠償を続ける。上場企業の看板は掲げていても、実態はハシの上げ下ろ しまで政府から指示される国策賠償会社になる」
この予想が当たっているなら、恐ろしいことになる。電力の安定供給は国の経 済活動を支える重要な役割で、この役割を東電に代わる別の機関はまったく思い つかない。ましてや「ハシの上げ下ろしまで政府から指示される国策賠償会社」 になって、一方では電力の供給責任を続けることは不可能に近いだろう。
「これからの電力会社には、やるべき技術開発や設備投資が山ほどある。原 発依存を少しずつ減らし、再生エネルギーを飛躍的に増やさねばならない。 低コストで安定した供給も求められる。政府管理下に置かれ賠償が最大目的 となる東電に、首都圏の電力インフラを進化させ、担い続けることなど出来 るだろうか」
まったくその通りだと思う。ポスト菅に誰が出てこようとも、ここで紹介した 朝日新聞の原真人編集委員の貴重なご意見をよーく噛み締めて事に当たってもら いたいものである。
「G研」代表