■これは同感できるG情報■


朝日新聞(2010年11月5日)


<転機の原子力=廃棄物処分場@>


   原発のごみわが町に


         「スウェーデン方式」条件交渉認めて公募


(その3)


   <本文転載>


 スウェーデンの首都ストックホルムから北へ車で2時間。「原発のごみ」 
処分の候補地、エストハンマル市は、5千戸の別荘が点在する避暑地にある。
処分場の建設地と目されるボスニア湾沿いの同市フォルスマルクを訪ねた。 
トウヒやマツの森が広がり、ヘラジカの狩猟者がよく訪れるという。    
                                   
 原発から出る使用済み核燃料(高レベル放射性廃棄物)は、数万年にわた 
って地下に閉じ込める「地層処分」をする。処分場の立地場所が固まったの 
は、世界でフィンランドに続いて2カ国目。金属製の円簡容器に入れて地下 
500メートルに埋める計画だ。事業主体のSKB社は来年3月に国に建設 
の許可申請をし、2015年の着工、25年ごろの操業開始をめざしている。
                                   
 成功に導いた「スウェーデン方式」に、世界の熱い視線が注がれる。もう 
一つの候補地だったオスカーシャム市の地下研究施設には毎週、海外の政治 
家や原子力関係者が見学に訪れる。エストハンマル市幹部らも毎週のように 
海外に招かれる。10月には、SKB社の幹部が経済産業省の招きで来日し、
講演した。                              




 ◆2市に絞る

                                                      エストハンマル市は、稼働中の原発3基を抱える原子力の町だ。人口2万  人強のうち原発関係の雇用が1千人以上を占める。民宿を経営するスティー  グ・パーソンさん(68)は「反対派もいるが、不安に思う人はとっくにこ  の地を離れている」と話す。最終処分計画に対する住民の賛同は8割に上る。                                      SKB社が公募を始めたのは1993年。応募自治体は当初二つしかなく、 他の自治体に打診した結果、8カ所が候補となった。地元議会での審議、掘  削調査による適性判定などを経て02年、エストハンマル、オスカーシャム  の両市に絞られた。                                                                SKBの社員が両市の企業や家庭に出向いて説明し、地元住民約3千人を  地下研究所に見学に招いた。広報活動に加えて、両市が「安心感につながっ  た」と強調するのは、法律で担保された拒否権だ。                                                  「国が建設許可を出す前、最終的に自治体に意見を聴くときまで、いつで  もノーと言える」と、エストハンマル市のアナレナ・ソーデルブロム副市長  は話す。                                                                     選定作業は両市による「誘致」の様相を呈した。両市は道路や学校整備な  どの地域振興のため、25年までに計20億クローナ(約240億円)を得  る協定をSKB社などと締結した際、「両市とも勝者になるべきだ」との考  えのもと、処分地に選ばれなかった自治体に75%と手厚く配分する比率を  独自に取り決めた。                                                                昨年6月、候補地がエストハンマル市に固まった。オスカーシャム市のカ  イ・ニルソン・プロジェクトマネジャーは「15年間も検討を進めてきただ  けに、みんな大変がっかりした」と話す。                



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