■同感できるG情報■


朝日新聞(2010年9月24日)


<いきものがたり/Human × Nature>


  人類の繁栄、危機生む


    生態系・温暖化対策 急務


     [■人口 40年で2倍]

     [■エネルギー消費量 50年で3倍]

     [■取水量 100年で8倍]


(その3)G研のコメント


 エネルギー消費の増大も目立つ。BPの統計では、1965年の世界のエ  ネルギー消費は原油換算で約40億トン。2008年には110億トンを超  えた。                                

 1973年の第一次オイルショック、79年の第二次オイルショックと2度ま で苦い経験を積んできた1965年から2008年までのわずか43年間で、世 界のエネルギー消費量は2.75倍、ほとんど3倍近い伸びを示してきたのであ る。

 この朝日の記事でもそうだが、エネルギー消費量を表すため、「原油換算」と いう単位を使うのが通常の表現方法である。今や世界で消費されているエネルギ ー源は、石油、石炭をはじめ天然ガス、水力、原子力、それに最近の数字にも表 れるようになった太陽光や風力といった自然エネルギーまで含めると非常に多種 多様であるため、それらを熱量、すなわちカロリー計算し、原油のそれに当ては めて「原油換算」しているのである。

 しかし、いずれにせよ世界のエネルギー源の主役は石油であり、続いて石炭、 天然ガス、原子力、水力といった順であろうか。はるか離れて太陽光と風力が統 計の数字に表れるようになり、バイオマスや地熱といったエネルギー源はまだま だ統計にも現れてきていないところだ。

 石油、石炭、天然ガス、原子力、水力までがまだまだ主要なエネルギー源とい えるが、そのうち地球温暖化の元凶でもある二酸化炭素ガス(CO2)を排出し ないのは、はからずも原子力と水力だけである。水力発電所の開発は自然の地形 を利用しなければならないため、いずれの国もそろそろ限界に来ているし、天然 ガスは石油や石炭に比べればクリーンなエネルギーといわれているが、まったく CO2を出さないとはいえないから、CO2を排出しない主要なエネルギー源で 今後もまだまだ主役が務まるといえば、原子力をおいて他にないのである。

 こうした化石燃料の大量消費により、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度  は上昇を続ける。平均気温は上昇力ーブを描き、高地や極地の氷河は年々減  っている。温暖化との因果関係は明確でないが、今夏、世界中で猛暑や洪水  などの異常気象が相次いでいる。                    

 地球温暖化が進んでいるのは、いまや疑う余地がないほど現状であろう。しか し、その原因をCO2をはじめとする温室効果ガスの排出だとするところに異論 を唱える学者がいることはいる。

 彼らの主張は、地球誕生以来、氷河期と間氷期が4万年から10万年の周期で 起こっており、最終氷河期はおよそ7万年前から1万年前まで起こっていたとい うから、それから1万年ほど経過した現在、そろそろ間氷期の温暖化現象が人類 が排出するCO2とは関係なく起こりだしてもおかしくないというのだ。

 しかし、この論理には無理がある。第一、最終氷河期が終わったとされる1万 年前から高々1万年しか経過しておらず、4万年から10万年周期とされる地球 の歴史からすれば、間氷期の温暖化現象が現れるには少々早すぎるのではないだ ろうか。

 今日の温暖化はやはりCO2などのガスを産業革命以来大量に排出したことで、 そのガスが地球を取り巻いて温室のガラス張りのような層をつくり、太陽光の輻 射熱を閉じこめることによって地球温暖化を引き起こしていると考えるのが妥当 ではないだろうか。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、CO2の  排出がこのまま増えれば今世紀末までに地球の平均気温は最大6.4度上昇  する可能性がある。平均気温の上昇が1.5〜2.5度を超えると、動植物  の2〜3割で絶滅リスクが高まるとも予測されている。          

 一日の最高気温が30度C以上の日を「真夏日」といい、それが35度C以上 になった日のことを「猛暑日」というのだそうである。また夜間の最低気温が2 5度C以上の夜を「熱帯夜」という。東京でもこの夏はこのいずれもの日の連続 記録を更新したのではなかったか。

 このまま行くと地球の平均気温が今世紀末には6.4度上昇するということは、 今年の夏、東京で経験した真夏日の今世紀末の気温は間違いなく45度以上はい くであろう。落語にでも出てきそうな江戸っ子が我慢して入ったかなり熱い銭湯 に毎日浸かっているような経験をするだろうということらしい。

 こうなれば我慢して過ごせる気温ではなく、人口の半数以上は熱中症でバタバ タと倒れていくだろう・・・といったホラー映画のような話はこれくらいにして おこう。

 3回目は『20世紀』だ。産業革命の続きだが、特別な100年間と考え  ざるをえない。人間活動の規模が爆発的に膨張し、地球の浄化能力を超えて  汚染が広がった。人口は16億人から61億人に、穀物生産は約7倍、鉄の  生産は約30倍になった。                       

 朝日の記事によると、「人間の破壊パワーが一気に大きくなった時期は3回あ る」と述べており、1回目は人類が農耕牧畜を始めた約1万年前のときだという。 2回目は産業革命が起こった18世紀後半のことという。そして3回目が上に引 用した20世紀の産業革命の続きだという。

 つまりこれら3回の時は、いずれも生産力を画期的に延ばした反面、その「破 壊パワー」で地球環境を大々的に壊してきたというのだ。生産力を急伸させるた めにはその代償として地球環境も壊さざるを得なかったのである。

 ただ、先進国がこういった主張をしている限り、先進国に追いつけ追い越せと 頑張っている途上国に、先進国と同じように温室効果ガス排出量の削減に取り組 めと強く望むことは困難を要するであろう。

(次ページにつづく)