原子力規制委 13計画を審査中
米原子カエネルギー協会(NEI)によると、原発計画に不可欠な認可を
出す米原子力規制委員会(NRC)が2月時点で13計画(最大22基)を
本格的に審査しているという。しかし、その実現には米政府の認可ばかりで
なく、1基数千億円という電力会社の投資負担を政府がどう側面支援してい
くかがハードルになっていた。
オバマ政権は風力発電や太陽光発電など代替エネルギー開発に積極的だっ
たが、それらは世界最大級のエネルギー消費国である米国を支えるにはなお
力不足だ。ブッシュ前政権同様、「脱・石油」を目指すオバマ政権にとって
原発開発は避けられない課題だった。温暖化対策法案の審議が難航するなか、
原発推進派が多い共和党との距離を縮める狙いも裏にはある。
一方、原発関連産業にとって発注元の電力会社に資金面の後ろ盾ができた
ことは事業拡大の好機にほかならない。米政府が今回、電力大手サザンカン
パニーのボーグル原子力発電所2基の建設に融資保証を決めたことについて、
米国に進出している日本の原発機器メーカーは「これを機に米国での原発建
設が前進することを期待している」(東芝)と歓迎する。
米政府は融資保証の候補に4カ所7基を挙げたが、東芝と同社傘下の米ウ
エスチングハウス(WH)陣営がボーグル原発を含め、このうちの3カ所6
基を占める。東芝は他の案件でも融資保証の獲得を目指している。
三菱重工業も原発建設の融資保証枠の拡大に期待。米ルミナント電力から
大型の加圧水型軽水炉(PWR)2基の受注が内定しており、融資保証枠が
広がれば、自社の案件が融資保証の対象に含まれる可能性がある。
しかしリスクもある。ひとつは原発が受注から完成まで長時間かかる「足
の長い事業」であることだ。景気低迷で米国の電力需要は落ち込んでいる。
資金繰りが悪化している電力会社もあり、プロジェクトごとに明暗が分かれ
る恐れもある。
原発という「政治色」を帯びやすいビジネスヘの懸念も消せない。経済停
滞が続く米国では保護主義的な「内向き発想」が強まりかねないムードが絶
えず残る。東芝系WHや米ゼネラル・エレクトリック(GE)と組む日立製
作所などは別にして、他の外資メーカーにとっては米国市場で思わぬ苦戦を
強いられてもおかしくはない。
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