<本文転載>
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「東芝さんはむちゃをしてるんじゃないか」。ある原子力業界の重鎮が冷 ややかとも、心配げとも取れる複雑な表情を浮かべながら、こう言った。 東芝が、2006年に米ウエスチングハウスを買収し、それ以降も原子力 事業への積極投資を続けているからだ。「世界の原発計画の行方を楽観視し 過ぎると、どこかで痛い目に遭う」。 しかし、東芝は何も世界の原発計画を鵜呑みにしているわけではない。各 国の計画の真贋、潜在的なリスクを必死になって見極めようとしている。 2009年12月。東芝で電力システム社社長を務める五十嵐安治・執行 役上席常務は、ブルガリアに飛んだ。旧ソ連製の火力発電設備4基で受注し たタービン発電機の改修工事が完了し、関係者を表敬訪問するためだった。 その訪問先である閣僚からささやかれた。「次の新設の時は、よろしくお 願いしますよ」。同国唯一の原子炉を持つコズロドイ発電所での新設案件の 打診であった。 |
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