
自民党政権時代の決定事項をまず否定し、ゼロベースで見直す。 政権奪取以降、民主党は、こうした行動を繰り返し国民に示してきた。 だが、全く手つかずの政策がある。それが、「原子力」である。 世界的なエネルギー需要の急増と、深刻さを増す地球温暖化。 2つの大問題を解決する切り札として、原子力発電が急浮上する中、 民主党は自民党が敷いたレールの上をひた走る。 だが、その政策は、経済合理性や外交問題を考えても、綻びが見える。 複雑な利害関係に縛られたままでは、「普天間」と同様、暗礁に乗り上げる。 |
この前文が、1月18日つけ「日経ビジネス」で特集の組まれた「原発漂流= 民主が抱えるもう一つの<普天間>」の大前提条件である。我々読者は、この全 文を頭にたたきつけて読み進まなければならない。
この特集の「政策編」では「出口なき迷路」と題して、その前文には次のよう に述べている。
「原子力ルネサンス」という名の原発復興機運が高まっているという。 原発なかりせば地球温暖化もエネルギー不足も解決できない、ともいう。 脇目も振らず走り続ける原子力政策。だが、その先は出口なき迷路だ。 |
ここでは、九州、青森、東京、フランス・ピエール、フランス・パリ、デンマ ーク・コペンハーゲンと、それぞれの現場が抱える諸問題を取材してまとめてい る。
つぎの「企業編」では「もう国には頼れない」と題し、次のような前文を掲げ ている。
原子力政策の不確実性が高まる中、原発企業はどんな方策を取ればいいのか。 需要が想定より伸びないとすれば、あまねく果実が行き渡ることはない。 国に頼らずに、緻密なグローバル戦略を描けるかどうかが優勝劣敗を分ける。 |
はっきり言えば、原発に反対の社民党と連立を組む民主党が政権をとっている うちは、日本国内の原発建設はあまり進まないだろう。しかし、外国では地球温 暖化を阻止するためにも、また電力を安定的に供給するためにも、見直されつつ ある原子力の需要が拡大しつつあることは間違いない。
このような国内外の現状を鑑みて、成長を続けてきた日本の「原発企業」は、 日本国内に止まらず、海外にそのビジネスを独自に展開していくことがこれから の生きていく道だ、と日経ビジネスは明確に示唆している。
特集最後の「提言編=異説にこそ活路あり」では、次のような前文を掲げてい る。
原子力政策の歪みを放置すれば、日本のエネルギー戦略は競争力を失う。 袋小路から抜け出すには思考停止から脱し、視点を変える必要がある。 民間企業に何を任せ、国がなすべきことは何なのか。 |
日本に見切りを付けた日本の「原発企業」は海外に出て行くであろうが、そう なれば日本国内のエネルギー戦略は崩落状態に陥るであろう。反原発の社民党の 顔色を窺って原子力政策に思考停止している民主党政権は、一日も早く目覚め、 原発再認識の視点に変える必要がある。そして、民間の電力会社や原発企業の役 割と国がやるべき役割を明確にして、この日本国内の閉塞状態から脱皮する必要 がある、というのが日経ビジネスの主張のようである。
これは我々の考えと同じである。各編の前文のみを見てきたが、これからは、 各編ごとに詳細に分析し、我々の考えと照らし合わせていきたい。