◆給湯に注意必要
「うちエコ診断」参加世帯のCO2排出量平均値の内訳を見ると、マイカ
ーが33%で最も多く、ついで給湯が20%、暖房が13%の順だった。一
方、各家庭が意識して省エネ努力をすることが多い冷房はわずか2%。テレ
ビも2%、照明が3%で、全体に占める比率はわずか。仮にテレビの消費電
力が半分になったとしても、CO2排出量は1%しか減らない計算だ。
アンケート調査では「そんなに排出量が多いとは思わなかった」分野とし
てマイカーを挙げた家庭が42%、給湯を挙げたのは22%あった。1つで
も挙げた家庭は全体の75%に達した。「自分の家の弱点を把握できれば、
効果的な対策を打てるはずです」。たとえば給湯では、家族が続けて風呂に
入れば追いだきに使うエネルギーを大幅に減らせる。シャワーヘッドを節水
タイプに交換するのも効果的だ。
意外と侮れないのが洗面台やキッチンの蛇口。最近ではレバーハンドルを
上下左右に動かすことで水量や温度を調節できる「シングルレバー混合水栓」
が普及し、夏でも無意識のうちにお湯を出すことが多くなっている。手を洗
うときなど短時間の使用では湯温がなかなか上がらないので、どうしてもお
湯を使いたいとき以外は水しか出ないようにレバーをきちんと調節すれば給
湯量を減らせる。
「省エネ努力をしているつもりでも、実際には効果的な努力になっていな
いケースが多いようです」。孝造が事務所に戻って報告していると、愛用の
自転車に乗って遊びに来た何でもコンサルタントの垣根払太が孝造に助言し
た。「世帯数と1世帯の人数にも注目した方がいいよ」
払太の情報をもとに、孝造は住宅の省エネに詳しい東京理科大学教授の井
上隆さん(55)を訪ねた。井上さんは「家庭のCO2排出量が増えている
のは、世帯数の増加、特に単身世帯の増加が大きく影響しているのです」と
説明を始めた。
国勢調査によると、05年の日本の総世帯数は4906万世帯で、85年
に比べて29%増加した。核家族化が進み1世帯あたりの人数が減ったため
で、特に単身世帯は05年に1446万世帯と85年から83%も増えてい
る。全世帯に占める単身世帯の比率は、同じ期間に20.8%か29.4%
まで上昇した。結婚しない人が多くなったうえ、独居老人が増えたこともあ
る。
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