日本経済新聞(2010年2月7日)


<エコノ探偵団>


[家庭のCO2、なぜ減らない]


       単身世帯の増加、省エネの壁


             節電努力だけでは不足


(その3)


 <本文転載>


 「二酸化炭素(CO2)の排出が家庭で増え続けていると聞きました」。  
近所の主婦の話を聞いた探偵、加江田孝造が調査を始めた。「環境意識は高  
まっているはずなのに、なぜだろう」                   





 ◆4割以上増加

                                                                  まず環境省に向かった。「たしかに家庭から出るCO2は増えています」  と担当者。CO2など地球温暖化の原因となる温暖化ガスは、1997年に  締結した「京都議定書」で主要国の2012年までの削減目標を定めている。 日本は90年度比で6%削減が義務だが、実際の07年度の排出量は9%増  加。工場など産業部門では省エネ対策などが進み、CO2排出量が2.3%  減ったが、家庭からの排出量は実に41.2%も増えた。「それで『エコポ  イント』のような政策に力を入れるわけか」                                                     東京・新宿の家電量販店を訪ねた。省エネ性能の高い薄型テレビとエアコ  ン、冷蔵庫を対象にしたエコポイントは昨年5月に制度がスタート。600  0〜3万6000円分のポイントが付くことから、特に薄型テレビの販売増  加につながっている。                                                               薄型テレビを品定めしていた東京都在住の会社員、佐藤貴文さん(39)  は「ポイントの魅力が大きいうえ、電気代が節約でき、地球温暖化防止にも  役立てるなら一石三烏≠ナすね」と話してくれた。                                                 エコポイントの対象製品は10年前の同等製品と比べて年間の電気代がど  れくらい節約できるかを表示している。テレビや冷蔵庫では約半分、エアコ  ンでも3割程度減っている製品が多い。                                                       照明器具売り場で東京都在住の30歳代の主婦に話を聞いた。「消費電力  が少ない発光ダイオード(LED)照明器具への買い替えを考えています。  今でも照明はこまめに消したり、使っていない家電の電源プラグを抜いたり、 省エネには気を使っています」                                                           「『エコ』のため省エネに気を使う人は増えているのに、家庭のCO2が  減らないのは、なぜなんだろう」。地球環境戦略研究機関・関西研究センタ  ー(神戸市)を訪ねた。兵庫県などと共同で、一般家庭の「CO2削減診断」 事業を始めたと聞いたからだ。                                                           同センター研究員の松尾雄介さん(35)に話を聞いた。「『うちエコ診  断』のことですね。各家庭が『どこから』『どれだけ』CO2を出している  か調べ、どうすれば削減できるかコンサルティングもします」。08年度か  らスタートし、すでに兵庫県内の約100世帯で実施した。「その結果、み  んな省エネ努力はしているつもりなのに、その努力が空回りしている『つも  りエコ』の家庭が非常に多いことがわかりました」            



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