◆4割以上増加
まず環境省に向かった。「たしかに家庭から出るCO2は増えています」
と担当者。CO2など地球温暖化の原因となる温暖化ガスは、1997年に
締結した「京都議定書」で主要国の2012年までの削減目標を定めている。
日本は90年度比で6%削減が義務だが、実際の07年度の排出量は9%増
加。工場など産業部門では省エネ対策などが進み、CO2排出量が2.3%
減ったが、家庭からの排出量は実に41.2%も増えた。「それで『エコポ
イント』のような政策に力を入れるわけか」
東京・新宿の家電量販店を訪ねた。省エネ性能の高い薄型テレビとエアコ
ン、冷蔵庫を対象にしたエコポイントは昨年5月に制度がスタート。600
0〜3万6000円分のポイントが付くことから、特に薄型テレビの販売増
加につながっている。
薄型テレビを品定めしていた東京都在住の会社員、佐藤貴文さん(39)
は「ポイントの魅力が大きいうえ、電気代が節約でき、地球温暖化防止にも
役立てるなら一石三烏≠ナすね」と話してくれた。
エコポイントの対象製品は10年前の同等製品と比べて年間の電気代がど
れくらい節約できるかを表示している。テレビや冷蔵庫では約半分、エアコ
ンでも3割程度減っている製品が多い。
照明器具売り場で東京都在住の30歳代の主婦に話を聞いた。「消費電力
が少ない発光ダイオード(LED)照明器具への買い替えを考えています。
今でも照明はこまめに消したり、使っていない家電の電源プラグを抜いたり、
省エネには気を使っています」
「『エコ』のため省エネに気を使う人は増えているのに、家庭のCO2が
減らないのは、なぜなんだろう」。地球環境戦略研究機関・関西研究センタ
ー(神戸市)を訪ねた。兵庫県などと共同で、一般家庭の「CO2削減診断」
事業を始めたと聞いたからだ。
同センター研究員の松尾雄介さん(35)に話を聞いた。「『うちエコ診
断』のことですね。各家庭が『どこから』『どれだけ』CO2を出している
か調べ、どうすれば削減できるかコンサルティングもします」。08年度か
らスタートし、すでに兵庫県内の約100世帯で実施した。「その結果、み
んな省エネ努力はしているつもりなのに、その努力が空回りしている『つも
りエコ』の家庭が非常に多いことがわかりました」
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