朝日新聞(2010年2月2日夕刊)


<1面記事>


    米原発 政府保証を増額


           予算枠3倍 新設後押し


(その2)


   <本文転載>


 【ワシントン=勝田敏彦】米エネルギー省(DOE)のチュー長官は1日 
の会見で、エネルギー効率が高い次世代原子力発電所新設時の建設費につい 
て、政府の債務保証を3倍に増額する、と発表した。オバマ政権は原子力推 
進にかじを切っており、1979年のスリーマイル島の事故以来止まってい 
た米国の原発新設が、約30年ぶりに動き出す可能性が出てきた。     
                                   
 原発新設の政府債務保証は、建設時の債務を政府が保証する制度。原発の 
建設には1基数千億円の投資が必要だが、低利融資を受けやすくして電力会 
社の負担を減らすもので、原子力を強く推進したブッシュ前政権下の05年 
の法律で作られた。                          
                                   
 現在、総額185億ドル(約1兆6700億円)の粋があるが、希望する 
電力会社が多く、同日発表の2011年度予算教書には545億ドルに引き 
上げる方針を盛り込んだ。                       
                                   
 オバマ大統領はこれまで、温暖化対策の面から原子力の必要性を認めつつ、
放射性廃棄物の処分や核不拡散の技術が確立していないことを理由に、原発 
新設には比較的慎重な姿勢だった。温暖化対策法案の議会審議が難航するな 
か、原発推進派の多い野党・共和党議員を取り込む意図も背景にある。   





  原発ごみ処分場、申請を取り下げ

                                                    【ワシントン=勝田敏彦】米エネルギー省は1日、ネバダ州ヤッカマウン  テンに建設予定の使用済み核燃料最終処分場の事業許可申請を取り下げる、  と発表した。同日発表の2011年度予算教書で関連予算はゼロとされ、2  0年越しで進められてきた米の「原発のごみ」処分場計画は事実上、白紙撤  回となった。                                                                   ヤッカマウンテンは87年、法律で米国唯一の処分場候補地に選ばれたが  「地元の反対などで計画は遅れていた。さらに、計画に反対したオバマ大統  領は10年度予算を大幅に削減していた。                                                      今回の申請取り下げで米国は、代替技術や代替処分地などの検討に入る。  オバマ大統領が1月29日に設置を発表した専門家委員会が検討する見通し  だ。