朝日新聞(2010年2月2日夕刊)


<1面記事>


    米原発 政府保証を増額


           予算枠3倍 新設後押し


(その1)


 「米エネルギー省(DOE)のチュー長官は1日 の会見で、エネルギー効率が高い次世代原子力発電所新設時の建設費につい て、政府の債務保証を3倍に増額する、と発表した。オバマ政権は原子力推 進にかじを切っており、1979年のスリーマイル島の事故以来止まってい た米国の原発新設が、約30年ぶりに動き出す可能性が出てきた」     

 地球温暖化を止めるには、電気自動車と原発をおいて他にないと主張してきた が、アメリカもようやくそれに気付いたようだ。2020年までに効果ガス排出 量削減を1990年比25%と早々と発表した我が鳩山政権は、我が国の原子力 開発をどうするのだろうか。よもや連立政権を組んでいる社民党の主張を入れて、 新規原発建設をしなくても削減目標の達成可能とでも思っているのだろうか。

 「原発新設の政府債務保証は、建設時の債務を政府が保証する制度。原発の 建設には1基数千億円の投資が必要だが、低利融資を受けやすくして電力会 社の負担を減らすもので、原子力を強く推進したブッシュ前政権下の05年 の法律で作られた」                          

 日本の電力会社はしっかりしているから、日本政府の保証なくても、国内外で 社債を発行すれば、相当額の資金は、今までは集めてこられた。これからはどう だろう。

 ただ、国の信頼が落ちているというから、しっかりしている公益事業会社の電 力会社といえども、これからも電力会社の社債で資金が集まるか、保証の限りで はない。やはり信頼される政府の後ろ盾があってこそ、その国の優良な企業の社 債が有望ということではないだろうか。

 「ヤッカマウンテンは87年、法律で米国唯一の処分場候補地に選ばれたが 「地元の反対などで計画は遅れていた。さらに、計画に反対したオバマ大統 領は10年度予算を大幅に削減していた。今回の申請取り下げで米国は、代 替技術や代替処分地などの検討に入る。オバマ大統領が1月29日に設置を 発表した専門家委員会が検討する見通しだ」                                 

 広大な国土を有するアメリカ合衆国でも、放射性廃棄物の処分場となると、地 元の反対も起こって、なかなか決められないようだ。これも自由主義、民主主義 国家の悩みの種であろうか。

 ただ、放射性廃棄物の処分場は、人里離れた砂漠などを連想しがちだが、何も そう敬遠しなければならない施設ではない。工学的な危険度からいえば、原子力 発電所などと比べても安全性は何倍も高いといえるのだ。

 従って、処分場の建設は、むしろ大都会の中央公園、例えば、東京なら日比谷 公園などの地下がよいと考えている。大都会といえば、電力の大消費地だから、 原発の立地は過疎地にもっていっているのだから、放射性廃棄物の処分場くらい 都市部で引き受けるべきではないだろうか。

 それでも国内での処分場の適地が見つからない場合には、中国と協議して中国 の広大な国土のどこか、例えばゴミ砂漠などに日中共同の放射性廃棄物処分場を 建設し、日中の原発から排出される廃棄物を引き受けるビジネスを中国に展開し てもらうというのはどうだろう。

 これも中国の温室効果ガス排出量の削減に日本が協力することにもなる。それ ばかりでなく放射性廃棄物を引き受けるビジネスで中国に利益をもたらすことに なるから、一石二鳥の効果があると思われる。日中双方にとって決して悪くない 話と思うが、どうだろう。

 鳩山政権にはそろそろこれくらい踏み込んだ政策を打ちだしてもらいたいもの である。さもないと、25%削減は「かけ声倒れ」に終わってしまう恐れがある。 余計なお世話などといわないで、我々の話に少しは耳を貸すべきである。

               「G研」代表

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