設計、世界標準に
新基準は2月にも発表される。改定にあたり、経済産業省原子力安全・保
安院は柏崎刈羽原発の経験を盛り込むべきだと提案。08年から3年間、毎
年7千万円の資金をIAEAに提供し、東京大や原子力安全基盤機構などの
専門家も改定作業に参加した。
新基準では、06年に改定された日本の耐震指針の考え方が生かされた。
原発に影響を及ぼす地震動を評価する際は、原発の立地地域の活断層を調べ
る。その際に、震源を点とみなすだけでなく、震源域の広がりや断層破壊の
過程を考慮する新たな手法が採り入れられた。
中越沖地震では、柏崎刈羽原発が設計段階での想定を超える揺れに見舞わ
れ、従来の手法の限界が露呈。地震後に国内の電力各社が、既存の原発に実
施した再評価で、この考え方が採用された。
IAEAは大地震に見舞われた原発の損傷をどう評価し、どのように運転
を再開させるかなど、復旧への行動計画に関する報告書も今回、新たにつく
った。
IAEAの耐震基準は今後原発を新設する国が耐震基準をつくる際や、原
発をもつ国が耐震基準を見直す際の参考になる。各国の耐震基準が世界標準
を満たしているか、IAEAが審査するときにも活用される。02年に出さ
れた基準を改定した。
世界では現在、中国やインドネシア、ベトナムなどのアジア諸国、アラブ
首長国連邦などの中東諸国のほか米国などでも、原発の新設や増設を相次い
で計画。東芝、三菱重工、日立GEニュークリア・エナジー、仏アレバの各
原発メーカーが激しい受注競争を繰り広げている。日本の耐震設計の手法が
世界標準になれば、国内企業が海外で工事を受注しやすくなる。
IAEA国際耐震安全センターの森田深(しん)・上席安全担当官は「先
進的な耐震の取り組みが世界標準として盛り込まれたことは、世界の原発の
安全の向上につながる。日本は今後、アジア諸国の耐震基準づくりにも協力
していくべきだ」と話す。
|