それでもプルサーマルは必要だ
<その2>
憲法の基本原則は議会に代表される間接民主主義だ。住民投票という直 接民主主義の手法は、実施するとしても、市町村合併など影響が外部に波 及しない問題に限定し、補完的に行うのが筋だ。 |
プルサーマルは、使用済み核燃料を再処理して抽出するプルトニウムを ウラン燃料に混ぜ、通常の原発で燃焼させる技術だ。世界5か国、35基 の原発で実施され、安全性は確認されている。 |
つまり、公正な判断をするための「事実」に基づいた情報を掲載する読売新聞と、世論を反対に誘導させるために「事実」を隠す朝日新聞とは、ここが違うところだ。反対するか賛成するかは読者が正しい情報を得て判断することで、マスコミが故意に世論を誘導してはならない。
しかし、日本では茨城県の核燃料加工工場での臨界事故などで原子力へ の逆風が強まり、プルサーマル反対運動が激化した。刈羽村では村長選を 巡る政争も絡み、住民投票に発展した。 |
使用済み核燃料の処理は原発最大の懸案事項だ。そのまま埋める国もあ るが、日本は再処理して有効成分(ウラン、プルトニウム)と高レベル放 射性廃棄物に分け、有効成分はもう一度原発で燃やす核燃料サイクルを基 本としている。 |
だが、プルトニウムの大量消費が期待された高速増殖炉は「もんじゅ」 の事故でつまずいた。同炉の扱いを含め核燃サイクルの見直しは早晩必要 だが、少なくとも現時点でプルトニウムを確実に消費できるのはプルサー マルしかない。 |
原子燃料のリサイクルは、資源の有効利用や地球環境への配慮を考えたとき、是が非でも、好むと好まざるとに関わらず押し進めなければならない。それにはそれに関連した技術を錆び付かせることは許されないのである。
プルサーマルは原爆の材料になるプルトニウムを別の物質に変える。日 本が余計な疑惑を受けないためにも、必要だ。反原発を掲げるドイツの 「緑の党」も、プルサーマルには反対していない。 |
とするなら、現在ある発電用原子炉の中で燃料として使用するのが最良と考えられている。核兵器全廃を主張して止まない日本にとって、保有国のプルトニウム廃棄プロジェクトに協力しなければならない日が、やがて来るだろう。
原発推進にかじを切った米国は、使用済み核燃料についても再処理への 転換を検討する方針だ。フィンランドは世界で初めて、高レベル放射性廃 棄物の地下埋蔵処理に動き始めた。 |
政府は原発周辺住民の不安解消に努めつつ、地域の決定が国民全体の利 益を損ねる場合は断固たる決断をすべきだ。 |
選択肢の限られた住民投票には、少数派の権利を圧殺するという弊害も ある。少数意見をくみ取りながら多数意見を生かす”政治の技”は、間接 民主主義の中からしか出てこない。 |
「G研」代表