(その3)
「国際的にも意義がある。既に国内には、使用済み燃料から再処理したプル
トニウムが約28トン(今年6月現在)存在する。日本は、軍事転用が可能
なプルトニウムを必要以上に持たないと国際公約しており、公約を守るため
にもサイクルの実現は不可欠だ」
「プルトニウムを必要以上に持たない」という姿勢は重要だが、このことはあ まり気にすることはないだろう。要は日本が核兵器を「持たない、造らない、持 ち込ませない」という三原則を明白に打ち出しているし、いくらプルトニウムを 抽出して保管していても、公明正大にその課程、データをオープンにしていれば すむことであろう。
「プルサーマルは1960年代に欧州で始まり、フランス、ドイツ、米国な ど9か国で導入され、08年末までに58基で実施された。ドイツでは約半 分の原発で導入され、フランスでは3割を超える。玄海原発3号機同様、既 設の軽水炉が利用されているが、燃料集合体に占めるMOX燃料の割合は、 日本の安全基準の3分の1を超え、4割近いものもある。今までのところト ラブルは報告されていない」
こういう報道こそ、有り難いものである。この事実をもって今後プルサーマル を実施しようとしている原発の地元住民の方々も少しは心安らかにしてもらいた い。本来なら、このプルサーマル計画を打ち出した原子力委員会や、その安全性 を承認した原子力安全委員会の委員達が地元へ出向いたり、あるいは記者会見、 テレビ出演でもして、国民に自分たちの口から直接伝えなければならないのであ る。
「ウラン燃料を使う軽水炉では、生成されたプルトニウムが燃焼している。 MOX燃料はプルトニウムが最初から含まれるが、発熱量や使用期間がウラ ン燃料とほぼ同じになるよう作られている。昨年5月から建設が始まってい る大間原発(青森県大間町)は、世界で初めてMOX燃料だけの使用を目指 しているが、経済産業省原子力安全・保安院は、通常の原子炉に比べ制御棒 の効きが悪い点などに配慮して設計され、問題ないという」
まさしくここに書かれているとおりだが、はたして何人の国会議員がこのこと を知っているだろうか? エネルギー政策も環境政策も、官僚に任せることなく、 ましてや電力会社など民間に任せることなく、政治主導で進めなければならない 政策であることを肝に銘じて認識しておいてもらいたいものである。
「サイクルの中核施設となる再処理工場(青森県六ヶ所村)は97年に稼働 するはずが、トラブルが重なり、17回も延期。来年10月の完工予定も見 通しは不透明だ。同工場近くに計画中のMOX燃料工場も従来より約2年遅 れの15年に完工時期が先送りされた」
あの北朝鮮でさえ、再処理技術はおろか、プルトニウムの高純度化技術まで成 功したというのに、技術立国を自負している日本が何故こうもモタモタしている のか、早急にその原因を検証すべきではないだろうか。
いずれにせよこの再処理工場操業の遅れと高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開 が遅れていることは、我々、原子力屋にとって頭の痛い問題である。
「G研」代表