読売新聞(2009年11月6日)

<総合面>

  プルサーマル、初稼動===>玄海原発

          核燃サイクル やっと一歩


(その1)


 自然界には存在しない元素プルトニウムは、ウランを燃料とする既存の原子炉 の中で生まれ、それを抽出すると燃料として使えるという非常に有り難い物質で ある。つまりウランを燃料として消費しながら新たな燃料を生産しているという うまい仕組みが原子炉なのである。

 もう少し説明すると、自然界から掘り出したウランには99.3%しかふくま れていないウラン238と、あとの0.7%しか含まれていないウラン235が あるが、核分裂連鎖反応を起こすのはウラン235だけで、ウラン238は核分 裂連鎖反応を起こさない。したがって現在、商業運転している原子力発電所の軽 水型原子炉の中ではウラン235を2〜3%ほどに濃縮した燃料を使って効率を 上げているのである。

 あとの97〜98%のウラン238はそれ自体、核分裂連鎖反応は起こさない が、原子炉の中で中性子を抱え込むとプルトニウム239という物質に生まれ変 わり、それはウラン235と同じように核分裂連鎖反応を起こす同位元素なので ある。

 プルトニウムをそのまま原子炉の中においておいても、効率の良い燃料にはな り得ず、一旦取りだして燃え残りのウランや核分裂生成物と呼ばれる高レベル放 射性廃棄物などを取り除くプロセス、すなわち使用済み燃料再処理の工程を経て それらの物質を分離せねばならないのである。

(次ページにつづく)