
(その1)
「原子力発電所の建設について、環境省が積極的な姿勢を打ち出した。九州
電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の増設計画で、環境影響評価(環境ア
セスメント)法に基づき、九電に『原発の最大限の活用を』と求める大臣意
見を出した。環境アセスで『原発推進』を明記した大臣意見は初めてだ。背
景に何があるのか」
「原子力発電所の建設について、環境省が積極的な姿勢を打ち出した」とは、 大変結構なことではないか。少々遅きに失したとはいえ、地球温暖化対策直轄担 当大臣とはいえ、政治家が、選挙の票にはあまり繋がらない原子力開発推進に言 及するのは極めて珍しいのであろう。
しかし、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%も減ら すと鳩山総理自ら宣言してしまったから、民主党与党は背に腹は代えられないと いうことだろう。ただ、発電所一カ所の増設計画を環境大臣が後押ししたくらい では、25%削減目標には程遠いといわざるを得ないが、自然エネルギーのバッ クアップよりはなんぼかましなことだけは確かだ。
「環境アセス法に基づく原発への環境相意見は8件目になるが、過去に原発 推進を打ち出したことはない。環境省が編集している今年の『環境白書』で は「発電過程で二酸化炭素を排出しない原発については、今後も安全確保を 大前提に、一層の活用を図る」と記されている。しかし、エネルギー安定確 保の観点から推進の旗振り役となってきた経産省と違い、環境省が独自の権 限で積極姿勢をみせたことはこれまでなかった」
経済産業省が原発推進するのは電源確保の観点から、一方の環境省の原発推進 は地球温暖化対策の観点からで、両省の目的は違うものの、原発推進という観点 ははじめて一致したという訳である。何も朝日新聞が目くじらたてることもなか ろう。