朝日新聞(2009年10月28日)

<国際欄>

    豪、ウラン開発活況

         海外で原発増設、労働党が解禁


(その3)


 <本文転載>


 【オークランド(ニュージーランド北部)=塚本和人】資源大国オースト 
ラリアでウラン開発が活発化している。埋蔵量は世界トップレベルだが、原 
子力発電所を持たない同国では採掘されたウランは輸出に回され、環境問題 
などへの配慮でこれまで新たな開発に歯止めがかかっていた。政策転換に対 
し環境汚染や核拡散への懸念を指摘する声も出ている。          




 ◆核拡散に懸念の声も

                                                       現在操業中のウラン鉱山は世界最大級の規模を誇るオリンピックダムとビ  バリー(いずれも南オーストラリア州)、レンジャー(北部準州)の3カ所。 これに加えて南オーストラリア州のハネムーン鉱山、フォーマイル鉱山がい  ずれも10年をめどに生産を始める予定とされる。さらに両州では4〜5カ  所で操業中の鉱山の大規模な拡張や新たな開発計画が相次ぎ、連邦政府の環  境審査などを受けている。                                                             これまで労働党政権下で開発を認めてこなかった西オーストラリア州では  昨秋の州議会選挙を経て保守系政権が誕生。新規開発にかじを切ったため資  源会社の申請が相次ぎ、各地で探査も始まっている。少なくとも4カ所で具  体的な計画がある模様だ。                                                             外資系の権益獲得の動きも目立つ。なかでも中国企業の動きが目立ち、今  年9月には「中国広東核電集団」が北部準州のウラン鉱床の権益を持つ豪州  の探鉱会社を買収すると発表した。                                                         豪州では83年、当時の労働党政権が、環境保護や軍事利用を防ぐ観点か  ら開発を国内の3鉱山に限定する政策を採用。その後、保守系のハワード前  政権は90年代に連邦レベルでは撤廃したものの、州レベルで政権を握る労  働党は許可していなかった。                                                            だが、07年4月、ラッド首相率いる労働党が3鉱山限定政策を撤廃し、  連邦レベルでの新規開発に道を開いた。経済成長が著しい中国やインド、ロ  シアで原発建設ラッシュを迎えたほか、温室効果ガス削減への意識の高まり  も指摘される。                                                                  世界のウラン埋蔵量の39%を占める豪州だが、市場の19%を占めるに  すぎず、輸出量ではカザフスタンに世界2位の地位を奪われ、「国際市場で  競争圧力にさらされている」(豪ウラン協会幹部)との事情もある。    



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