日本経済新聞(2009年10月7日)

<経済2面記事>

[国際エネルギー機関(IEA)]

       エネルギーや地球温暖化対策

       化石燃料需要20年に頭打ち


(その1)


 国際エネルギー機関(IEA)は、第一次オイルショックの時、米国のキッシ ンジャー元国務長官の提唱で1974年に設立されている。その当初の目的は、 石油需給バランスを堅持する方法を模索するためであった。

 ところが最近では、世界のエネルギー全般に目を配り、とくに地球温暖化対策 に資するデータや提言などに重点がおかれるようになった。エネルギーと環境の 両面からにらみを利かすIEAの役割はますます重要性を増しているといえよう。

 というのもこのIEAの事務局長は日本人で、田中伸男氏である。ついでに田 中事務局長のプロフィールを紹介しておこう。

 東大経済学部卒業後、米国のケース・ウエスタン・リザーブ大学でMBAを取 得。1973年、当時の通商産業省(現在の経済産業省)に入省。以後、国内、 国外にわたり、経済、エネルギー、科学、貿易政策といった分野で知識と経験を 積んできた人だという。2007年9月1日にIEA事務局長に就任したのだが、 その前職はOECD科学技術産業局長であった。

 この日経の記事によると、田中事務局長は「中国やインドなど広範な新興国を 含めた対話の場を創設する考えを表明」したそうである。これは鳩山新総理の 「25%削減」表明を受け、田中事務局長の発案だそうである。

 そしてIEAは、2009年版「世界エネルギー見通し」の特集部分を先行発 表したという。日経の記事によると、色々と傾聴に値する重要なポイントが出て いる。

 「石油など化石燃料の需要は20年には減少に転じる」

 化石燃料の枯渇は、特にオイルショック以降、色々な機関からいわれてきたが、 そのほとんどは「オオカミ少年」よろしく、信用できる根拠が希薄であった。し かし、IEAの指摘となると、いよいよもって真実みをおびてくるから不思議だ。

 いずれにせよ、石油は燃やしてしまう使い方は「もったいない」といえよう。 つまり、石油は燃料として使う以外にも、化学製品等のあらゆる分野の貴重な原 材料として知られているから、地球温暖化の元凶としての使い方はそろそろ打ち 止めにしてもいい時が来たようである。

(次ページにつづく)