(その3)
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【ウィーン=岐部秀光】国際原子力機関(IAEA)は8日、原子力発電 の中長期見通しを上方修正し、2030年の発電能力が現在の370ギガ (ギガは10億)ワットから最大810ギガワットに拡大すると発表した。 前年の見通しに比べ8%多い水準で、発電能力は今後20年で倍以上になる 計算。地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から各国政府が「原子力 利用」へのシフトを加速していることが浮き彫りになった形だ。 発電能力は最小シナリオでも510ギガワットで現在の40%増しの水準 となる。この場合でも全発電容量の7.1%、最大では9%を占める計算と なり、原子力が世界のエネルギー供給の柱のひとつとなることが分かった。 IAEAは上方修正の理由として中国、日本、韓国など東アジアでの原子 力発電の需要増大を指摘した。インドやパキスタン、中東でも原子力による 発電能力の大幅な増強が予想されている。北米、東南アジア、太平洋地域で は逆に小幅の下方修正があった。 IAEAは金融危機で「いくつかの原発計画が影響を受けたが、その度合 いは地域により異なる」と指摘。中長期的には新興国などで原子力発電への 需要が依然として高いと分析した。 地域別にみると東欧地域の原子力依存度が高まり、30年の最大シナリオ で15%を上回るとみられる。極東地域の原子力依存度も現在の約7%から 最大約9%にまで上昇する見通し。IAEAがまとめた最大見通しは金融危 機の対策が短期に奏功し、世界経済が再び早期に成長軌道に乗るシナリオを 前提としている。 |