
(その1)
中国・内モンゴル自治区オルドス市に発電容量200万kWの太陽光発電所を
建設するそうである。原子力発電所の場合、計画中のものでは1基当たり159
万kW(川内3号機)というのもあるが、運転中のものの平均的な発電容量は1
00万kWであるから、中国の太陽光発電の発電容量が200万kWということ
は、原発2基分の規模ということになる。
ただ、太陽光発電の場合、昼間の快晴の時しか稼働しないのだから、稼働率は 最大50%で、現実には曇りの日もあれば雨の日もあるから30%にもなれば御 の字ということになる。因みに原発の場合、燃料を装荷すれば、昼夜を問わず稼 働を続けるから、あまり五月蝿くいわれなければ、事実外国では実績を上げてい るから、90%超の稼働率も不可能ではない。安全運転が厳しく求められている 日本の原発の稼働率は、それでも70%だから、太陽光発電の稼働率はあまりに も低いといわざるを得ない。
しかし、原発の場合、冷却を必要とするから、海岸や湖、もしくは大河沿岸に 限定して立地しなければならない。その点、太陽光の場合、砂漠でも草原地帯で も広大な土地さえ確保できれば設置可能だから、その土地土地に合った発電所が 計画されて当然であろう。
内モンゴルの場合、恐らく草原が広がる地域で、大きな湖も大河もなさそうだ から、原発は無理として、太陽光でも致し方ないかも知れない。ただ、その地方 の日照時間が気になる所だ。むしろ風力発電の方が適しているように思えるのだ が・・・。
問題は建設コストだが、日経の記事は次のように報じている。
「オルドス市政府と建設契約に向けた覚書を交わした。同市の砂漠地帯にあ る65平方キロメートルの用地に発電所を建設。資材工場の建設も検討する。 総投資額は非公表だが、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は同様の発 電所を米国内に建設すれば50億ドル以上に上る可能性があるとしている」
原発の場合、100万kWクラス1基の建設コストは、日本は他国と比較して 安全重視で相当高くなっており、約3000億円といわれている。従って2基2 00万kW原発の建設コストは、非常に大雑把な計算だが、約6000億円以下。 太陽光発電の米国内での建設コストは50億ドル、日本円で5000億円以上。 日本国内の割高な原発建設コストと、米国内の安く見積もった太陽光発電の建設 コストはほぼ同額に近いといえよう。
つまり、太陽光発電と原発を比較した場合、同規模の発電所の建設コストはほ ぼ近づいたといえるが、発電コストを比較する場合、稼働率が重要なファクター だから、太陽光の稼働率がせいぜい30%という自然現象を如何ともしがたいこ とを考えると、太陽光パネルの製造コストを量産などでかなり減らせたとしても、 発電コストを原発並みに下げることは非常に難しい、いや、不可能といわざるを 得ないだろう。
したがって、内モンゴルに大規模な太陽光発電所の建設計画には同意するが、 この日経の記事のタイトル「能力、原発並み」には多くの疑問符を付けざるを得 ないといっておこう。
「G研」代表