朝日新聞(2009年9月3日夕)

<夕刊1面トップ記事>

      原発40年超運転 初認可

                  敦賀1号機 新設着工遅れ


(その2)


 この運転延長に関する許認可が下りるまでの状況を朝日の記事は次のように書 いている。良くまとまっており、非常に分かりやすい記述であろう。

 「日本原電は老朽化対策として、炉心を囲い、炉内の水の流れを整える隔壁 や、原子炉に水を戻す際の給水加熱器を00年に交換。60年の長期運転を 想定し、今後10年間の長期保守管理方針をまとめて、2月に国に提出した。 保安院はそれを受け、立ち入り検査を実施。専門家による作業部会で、放射 線による原子炉内の機器の劣化やケーブルの絶縁性の劣化、配管の厚さなど に関する対策を妥当と判断し、今後10年間の継続運転を認可する審査結果 をまとめた」                             

 しかしまあ、地元住民の方々にとっては特に、いわば「老体にむち打って働か せる」と写るのであろうから、心配する心理は分からないでもない。しかし、原 電としては大きな故障や事故でも起これば、大きな損益に繋がるから、当然万全 を期しているし、今後10年間の運転延長には自信があるから踏み切るのである。 安心して頂いてよいと断言できる。

 まったくご心配に及ばないのだが、日頃から原子力開発推進には疑問を投げか けている方々にとっては特にご心配で、少々揶揄したいのであろう。この朝日の 記事に付属した解説欄に次のような記述がある。

 「国は安全性を確認すれば、60年までの運転を認める方針だが、老朽化の 懸念は少なくない。高温高圧の蒸気を使い、放射線の影響を受ける原発の配 管や機器は、長年使うとひび割れを起こしたり、薄くなったりしやすくなる。 04年に5人が死亡した美浜原発3号機の配管破断事故も老朽化が一因だっ た」                                 

 美浜原発3号機の配管破談事故が起こった箇所は二次冷却系の配管だが、ここ には放射性物質は混ざっておらず、点検にも細心の注意が払われている所ではな かったのである。もちろんあらゆる所で事故が起こっては困るが、原子力発電シ ステム全体の安全性を維持するためには、最大限注意を払わなければならない所 からあまり注意を払って点検しなくてもよい所と数段階に分類して保守点検する ほうがベターな訳で、そのように最初から保守点検マニュアルが作られているの である。

 最も注意を払わなければならない所は、原子炉から一次冷却材が通っている箇 所で、そこには放射性物質が混ざっているから、配管の破断はもとより、機器類 の故障も早めに交換するなどして万全を期するようになっている。

 美浜原発3号機の配管破断事故の場合、そこで働いていた従事者に高温の蒸気 がかかって大やけどを負って死に至らしめることになった。犠牲になられて方々 にはお気の毒だが、その事故によって放射性物質が周辺まで漏れ出たということ ではない。

 大事な技術者を失い、配管の修復に時間とお金がかかったから、電力会社には 大きな損益だったが、周辺の方々にご迷惑を掛けたのではない。

 すなわち、原発でひとたび故障や事故が起これば、まずはその管理会社である 電力会社が大きな損害を受けるから、電力会社自体、自社の利益を守るため、原 発の安全性については万全を期しているといえるのである。電力の損益なしに周 辺にのみ被害を及ぼすというような故障や事故は、原発に関して絶対にないとい えるのである。

 「高齢原発時代に入ることで、よりいっそうの監視体制の厳格化が求められ る」                                 

 電力会社は、まずは自己防衛のため細心の監視体制を敷いているのはいうまで もないが、それに加えて国や自治体が厳格に監視して頂くのは有り難いことであ る。ただ、日夜監視している電力の技術者以上に厳格な監視をするためには、電 力やメーカーの技術者以上の熟練と現場の知識が要求されるのであることを最後 に指摘しておこう。

               「G研」代表

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