
(その1)
企業にとってエネルギー効率を高めることは、製造コストを下げることであり、
自社にとってもメリットを上げることになる。したがってエネルギー効率を高め
る努力、つまり省エネは地球温暖化防止に貢献することにもなるが、自社製品の
コストを下げることになるから、企業にとって努力するのは当然である。
しかし、冷房温度の設定を上げるなど、職場環境を悪くすることは、労働効率 を下げることになって、デメリットの方に傾斜するから、いくら地球温暖化対策 になるとはいえ、全面的に協力はできないだろう。
「大きな課題は電力会社が石油などを燃やす火力発電からガスをほとんど排 出しない原子力発電にどこまで転換できるか。政府の中期目標では達成に向 けて原発を9基増やす必要がある。だが設備新設や安全対策などに多額の費 用がかかるうえ、増設には周辺住民などとの調整に時間がかかる。産業界に は「原発はよくても最大6基しか増やせない」との見方もある」
原発の建設計画が何故思うように進まないのか、あらゆる原因を検討する必要 があるのではないだろうか。少なくとも「設備新設や安全対策などに多額の費用 がかかる」からではない。原発予定地の地権者や漁業権保持者との話し合いが難 航するからである。
電源立地の分野でも政府、行政などがそれぞれの分野でもっと協力することが 重要である。例えば、周辺住民への説得には、地元選出の国会議員などは行動を 起こすべきである。原発推進活動は選挙の票に繋がらないと、あまり協力したが らない議員が多いと聞いている。
原発立地の地元住民に対する説得に当たるのは電力会社だけでは、立場上その 能力に限度がある。地権者や漁業権保持者の最後の一人まで、一民間企業である 電力会社が説得するのは極めて難しい。時には「土地収用法」のような強制的な 措置も必要ではないだろうか。
「『乾いたぞうきん』。日本の産業界は地球温暖化対策への取り組み強化を 求める声に、自らの状況をこう説明し、『もう絞れない』と訴える」
エネルギー効率を高める研究開発を「乾いたぞうきん」に例えるのは、一つの ジョークなら笑い飛ばせるが、産業界の本音を吐露した表現なら、あまりにも弱 気であって適切ではない。
原子エネルギーの利用は、何も発電に限定されるものではない。製鉄、海水の 脱塩といった分野にも利用すべきである。原子力が安価なエネルギー源であり、 低炭素社会には最適のエネルギー源であることから、原子力の持つネガティブな 要素のみをクローズアップするのではなく、原子力の持つ幅広い応用分野もクロ ーズアップすべきである。
「G研」代表