(その2)
<本文転載>
冷夏との予測もある今年。ただ厳しい暑さが急に訪れても不思議はない。 最高気温が35度以上になる猛暑日。東京では1980年代まで1日もない 年も多かったが、90年代以降は年平均で約4日ある。 科学者で構成する国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によ ると、世界の平均気温は2005年までの100年間で0.74度上昇。日 本も1度強上がり、時に熱帯を思わせる酷暑も珍しくなくなった。 地球の平均気温が上昇する温暖化。その原因は二酸化炭素(CO2)やメ タンといったガスの増加とされる。ガソリンを燃料とする自動車や石油、石 炭などを使う工場などから排出されるガスが、太陽のエネルギーを受けて地 表が発する赤外線を吸収して、気温を上げるという仕組みだ。 地球の大気中のCO2濃度は過去65万年間大きな変化がなかったが、産 業革命を機に18世紀後半から4割近く増えた。温暖化と人類の活動の因果 関係を否定する声も根強くあるが、IPCCは「人為的な温暖化ガスの増加 が最近の気温上昇をもたらした可能性が非常に高い」と結論づけている。 温暖化は何をもたらすのか。西日本で多数の死者を出した7月下旬の集中 豪雨。茨城大学の三村信男教授は「温暖化で豪雨が増える傾向がある」とい う。環境省は関東や東海などの都市圏で河川のはんらんが頻発し、国内の被 害額が最大8.7兆円に膨らむと試算する。動植物も被害を受ける。青森、 秋田両県にまたがる白神山地のブナ林や沖縄のサンゴ礁などは消失が危ぶま れる。 一方、世界では既にオーストラリアが大規模な干ばつに見舞われ、南太平 洋の島国ツバルは海面上昇で国土消失の危機にある。アジアではヒマラヤ山 脈の氷河が解けて周辺国が洪水の脅威にさらされる。将来的にはガンジス川 や長江などに流れ込む雪解け水が減り、10億人が水不足に直面する恐れが ある。 ◇ 地球温暖化の防止は世界の大きな課題になっている。7月の主要国首脳会 議(ラクイラ・サミット)では気温上昇を2度以内に抑える必要性で一致。 12月には温暖化ガス削減の新しい枠組みを決める国際交渉が期限を迎える。 温暖化が暮らしや企業経営に及ぼす影響などを解説する。 |