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【ウィーン=玉川透】3月の投票で決着がつかず、仕切り直しとなった国 際原子力機関(IAEA)の事務局長選挙が2日行われ、再挑戦した日本の 天野之弥(ゆきや)ウィーン国際機関日本政府代表部大使(62)が当選し た。原子力の平和利用、核拡散防止の要であるIAEAのトップに日本人が 就くのは初めて。9月の年次総会で正式承認され、12月1日に就任する。 任期は4年。 =8面に関係記事 |
唯一の被爆国・日本からの「核の番人」のトップとして、停滞ぎみだった 核軍縮・不拡散体制強化への強力なリーダーシップが求められる。同時に、 北朝鮮の核実験やイランの核開発疑惑など、緊急性の高い問題が山積するな かでの就任であり、待ったなしの手腕発揮を迫られることになりそうだ。 天野氏は当選を決めた直後の記者会見で「日本は原子力の平和利用と核不 拡散を両立しているモデルともいうべき国。その経験を世界に役立てていき たい」と述べた。 選挙は、現事務局長のエルバラダイ氏が11月に任期切れを迎えるのに伴 うもので、3人が立候補。上位2人に残った天野氏と南アフリカのミンティ IAEA担当大使(69)それぞれに対する信任投票で、天野氏は当選に必 要な投票数の3分の2以上となる23票を獲得した。35理事国中、信任投 票では1カ国が棄権した。 3月の前回投票も天野、ミンティ両氏の一騎打ちだった。天野氏が欧米や アジア諸国の支持を集めて終始リードしたものの、ミンティ氏支持の途上国 に食い込み切れず、当選を逃した。 現在、主要な国際機関の日本人トップでは、国連教育科学文化機関(ユネ スコ)の松浦晃一郎事務局長が今年中に退任予定。このままだと国際エネル ギー機関(IEA)の田中伸男事務局長だけとなり、日本政府をあげて天野 氏当選に向けた選挙運動に取り組んできた。 中曽根外相は2日深夜、「国際社会の幅広い支持を得ることができたこと を大変喜ばしく思う」との談話を発表した。 |
【天野 之弥氏(あまの・ゆきや)】東大卒、72年外務省入省。仏マル セイユ総領事、ハーバード大客員研究員、軍縮不拡散・科学部長などを経て 05年8月からウィーン国際機関日本政府代表部大使。同年10月から1年 間、国際原子力機関(IAEA)理事会議長。07年に核不拡散条約(NP T)運用検討会議・準備委議長を務めた。 |